人材開発に関する最新情報をお届けいたします
(2017/06/12)
毎週更新


サービス産業生産性革命〜ピンチ(人手不足)をチャンス(変革)に!〜
【公益社団法人 経済同友会】
https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2016/pdf/170607a.pdf

経済同友会の提言。【経営者としてなすべきこと】一.変革の主体は経営者。変革の主体は経営者の強い意志であり、様々な改革をトップダウンで断行しなければならない。二.ビジネスとテクノロジーが両立できる経営者に。これからの経営者はビジネスだけでなく、テクノロジーの理解も求められる。不可逆的なテクノロジーの進展に対し、自らが営む業界だけでなく、他の業界・海外の事例、オープンイノベーションの動向等に常にアンテナを立て、自社に有効な技術の活用を推進しなければならない。三.人材の機会損失をなくす。日本人の能力は高い。一方、人材及び時間は有限である事を強く認識し、人材の機会損失をなくすことが経営者の大きな役割である。四.捨てる勇気を。変革を起こすには、いままでの品質・サービスを捨てることも必要となる。しがらみを断ち切って捨てる勇気を経営者は持たなければならない。五.ピンチをチャンスに。高齢化、人口減少に伴う人手不足という日本特有のピンチの中、これをチャンスに変える事が出来るのは、まさに私たち経営者の行動である。今こそ、勇気をもって、イノベーション改革を行い、世界に通じる新たな商品やサービスを創り出して行こう。


「働き方改革実行計画」に関する調査結果について
【大阪商工会議所 人材開発部】
http://www.osaka.cci.or.jp/Chousa_Kenkyuu_Iken/Iken_Youbou/k170601hataraki.pdf

大阪商工会議所の調査。1ヶ月平均の時間外労働時間が36協定を下回る企業は、8割を超える。時間外労働の削減に、7割以上の企業が取り組んでおり、そのうち約半数が、過去1年間の時間外労働時間が減少傾向にあると回答。時間外労働の削減に向けて「実施している取り組み」は、「業務の効率化・平準化」(56.3%)との回答が最も多い。次いで、「時間外労働の事前申請制度の徹底」、「ノー残業デー(ウィーク)の実施」と続く。時間外労働の上限規制が法律で定められた効果については、「従業員の心身の健康に繋がる」、「業務内容に見直しに繋がる」等の回答が多かった。一方、影響は「特になし」(34.7%)との回答が最多であったが、「売上や受注量が減少する恐れがある」、「(サービスや商品の)品質低下の恐れがある」といった、企業経営への影響を懸念する回答があった。テレワークを導入している企業は「全従業員対象」(2.3%)と「一部従業員対象」(8.9%)を合わせて約1割(11.2%)であり、導入検討(9.9%)も含め2割程度(21.1%)に留まる。テレワークを導入しない理由としては、「適した職種がない」(67.7%)との回答が最も多かったが、「労働時間管理が難しくなる」、「上司・部下間や従業員同士のコミュニケーションがとりにくくなる」などの課題が挙げられた。


中小企業における外国人労働者の役割
【株式会社 日本政策金融公庫】
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/ronbun1705_02.pdf

日本政策金融公庫「日本政策金融公庫論集」より。外国人を正社員としてだけ雇用している企業が外国人を雇用する理由をみると、「外国人ならではの能力が必要だから」が35.9%で「日本人だけでは人手が足りないから」の12.1%を上回っている。必要とする能力とは外国語を話せることはもちろん、「外国に人脈やネットワークをもっている」「外国の商習慣や取引慣行に詳しい」など、海外展開を有利にするものである。一方、外国人を非正社員としてだけ雇用している企業では「日本人だけでは人手が足りないから」が44.2%を占めており、「外国人ならではの能力が必要だから」は13.3%と少ない。このように外国人を雇用するもう一つの理由は人手不足なのであるが、この人手不足は主に事業が拡大していることによって生じている。最近5年間の売上高をみると、外国人を雇用している企業は雇用していない企業よりも「増加傾向」であるとする割合が多くなっている。最近5年間の採算も同様である。若年層を中心に労働力が減少していくなかで、外国人労働者は中小企業の成長を支える役割を担っている。


新卒の就職活動は超売り手市場―AIの時代に求められるもの
【株式会社 ニッセイ基礎研究所】
http://www.nli-research.co.jp/files/topics/55844_ext_18_0.pdf

ニッセイ基礎研究所「基礎研REPORT」より。会社の中の人事異動で様々な仕事をする日本企業では、就職と言っても職業を選んでいるのではなくて会社を選んでいるだけなので、「就職ではなく就社だ」と言われることがある。しかし、職業を選ぶという視点で考えても選択は簡単ではない。今後人工知能(AI)が発達して行くと、これまで機械化・自動化が難しいと考えられてきた専門的な職業でも、多くの仕事が機械に取って代わられるという指摘も多い。専門知識や能力を磨いても、10〜20年後にはその仕事自体が消えてしまっているということも起こり得る。就職に有利で入社してからの仕事に役立つ、すぐに役に立つ専門的な能力や知識を学校で身に付けようと誰でも考える。しかし、すぐに使える能力や知識ほど、環境が変化すればすぐに役に立たなくなりがちで陳腐化も早い。変化の速い社会では、高度な専門性を維持するためには、社会に出てからも新しい知識や技術を常に学び続けることが重要になっている。大学は4年間だが、職業生活は65歳まで働くことを考えれば40年以上にわたる。今後もさらに働く期間は長期化するはずで、その間ずっと仕事をしながら知識や能力を更新していけるかどうかが職業生活で大きな差を生むことになるだろう。


「日常的人手不足」の時代
【株式会社 第一生命経済研究所】
http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/monthly/pdf/1706_1.pdf

第一生命経済研究所「第一生命経済研レポート」時評より。ここにきて今本気で労働市場や働き方、社会の仕組みの改革に着手しなければ供給制約から日本の成長は覚束ないという健全な危機感が広く共有されつつあるように感じる。ある意味チャンス到来と言っていいのではないだろうか。成長会計では経済成長は労働力、資本、生産性それぞれの伸び率の合計である。3つの要素が完全に独立して動くわけではないが、改革によって労働市場の柔軟性が確保されても長期的に少子高齢化、人口減少社会で労働力の伸びにはあまり期待できないのであれば、成長のためには設備投資とイノベーションで生産性を上げるしかないという話になる。結局この古くて新しい問題に挑戦し答えを出していかないと未来は厳しいということだ。言うは易しであり現実は厳しいが、ここは単純な悲観論やラフな楽観論に流されることなく健全な危機感を持ち続け改革が加速することに期待したい。


「平成28年度ものづくり基盤技術の振興施策」(ものづくり白書)を本日閣議決定
【厚生労働省 職業能力開発局】
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000165939.html

国内の製造業のうち99%以上を占める中小企業を取り巻く状況としては、事業所数、従業者数ともに減少傾向にある。中小製造業の人材不足感が進んでおり、今後、我が国の生産年齢人口の大幅な減少が見込まれる中で、人材確保については一層の厳しさを増すことが考えられる。ものづくり産業をめぐる社会・経済環境の変化に対する認識として、大企業、中小企業ともに「製品の品質をめぐる競争の激化」と回答した割合が高くなっている。「製品の品質をめぐる競争の激化」、「技術革新のスピードが加速」を感じている中小企業は、人材を採用したと回答した割合や、人材育成などの「成果があがっている」と回答した割合がともに高くなっている。一方で、「ものづくりに対する若者の関心の弱さ」を感じている中小企業は、人材を採用した、人材育成などの「成果があがっている」と回答した割合がともに低くなっている。今後、ものづくり産業の成長に求められる人材像をみると、中小企業は、大企業と比べて、「熟練技能者」を求める優先順位は高くなっている一方で、「生産技術職」を求める優先順位は低くなっている。技術革新が激しくなっていく中で、中小企業においても、生産技術職の確保、育成が課題になってくる。


〜掲載内容につきましては、ご自身の判断により対応願います。〜

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