人材開発に関する最新情報をお届けいたします
(2017/07/10)
毎週更新


日本企業における社員の働き方に関する実態調査 速報
【産業能率大学総合研究所 HR総研】
http://www.hj.sanno.ac.jp/cp/page/15355

産業能率大学総合研究所とHR総研の調査。規模が大きな企業ほど、実労働時間が長くなる傾向。ただし、300〜1000人の中規模企業の中には、残業が常態化している企業も。1カ月あたりの所定外労働時間(残業時間)80時間超の長時間労働の社員がいる企業は4割台半ば。特に、従業員規模3000人以上の企業に多い。多くの企業において、有給休暇取得率は依然として低い。1000人以上の規模の大きな企業は、有給休暇取得率向上に向けての活動が進んでいる模様。多くの企業において、ライフイベントを支援するための制度の導入率が高い。柔軟な働き方実現に向けての制度は、規模の大きな企業を中心に導入が進んでいる。長時間労働が疑われる企業では、社内調整の過度な重視や、場当たり的な活動を許容する風土が定着している。また、定時に帰ろうとする雰囲気の欠如や休みを取りにくいという側面も。


デジタライゼーション時代に求められる人材育成
【公益財団法人 NIRA総合研究開発機構】
http://www.nira.or.jp/pdf/opinion31.pdf

NIRA総合研究開発機構「NIRAオピニオンペーパー」より。21世紀はデジタライゼーションと呼ばれる技術の大変革期であり、人間の労働に大きな衝撃がもたらされる。あらゆるコトが機械で可読・処理可能な形式でデータ化され、もはや情報を伝達するだけの仕事や定型的な仕事は機械で代替される。このような時代に、われわれ人間はどのような能力を身につけるべきだろうか。2011年に開始したAIプロジェクト「ロボットは東大に入れるか」の研究の結果、AIは言葉の意味を理解し状況を判断することが苦手である、という結論に達した。逆にいえば、文脈理解や状況判断が要求される問題解決型の仕事がある限り、人間の役割は無くならない。このような仕事では、適切なコミュニケーションをとれる人間であれば、機械以上の能力を発揮することができる。しかし、筆者らが行ったリーディングスキルテストからは、言葉や文脈がもつ意味を理解しながら読む能力が身についておらず、AIと同じような表層的な読み方しかできない者が少なからずいることがわかった。これらの結果を踏まえれば、今後の国語教育を、読む能力を養う論理的活動へシフトさせるという案は一考に値するだろう。


「人手不足等への対応に関する調査」集計結果
【日本商工会議所】
http://www.jcci.or.jp/mpshortage2017.pdf

日本商工会議所の調査。全体では、6割以上の企業が「不足している」と回答。昨年度調査よりも「不足している」と回答した割合が上昇(5ポイント)。調査を開始してから3ヵ年連続で人手不足感が強まっている。業種別では、宿泊・飲食業の不足感が昨年度調査同様最も高く、8割以上の企業が「不足している」と回答。他の業種においても昨年度調査を超える人手不足となっており、人手不足は深刻化している。一方、「介護・看護」については、昨年度調査と比較し人手不足感が若干和らいだ。同一労働同一賃金のガイドライン案については、「ガイドライン案について知らなかった(知っていたが、内容は未確認を含む)」が最も多く、より一層の周知が必要であると考えられる。また、内容に関しては、「分かりやすく実務の参考となった(現在の自社の労務管理が適切かどうか、判断できる)」と「分かりにくく実務の参考とならなかった(現在の自社の労務管理が適切かどうか、判断できない)」がほぼ同割合であり、ガイドライン案の内容を把握していても、参考になったか否かについて判断が分かれた。


柔軟な働き方とOJT―パートタイム労働者の教育訓練からの示唆―
【みずほ情報総研 株式会社】
https://www.mizuho-ir.co.jp/publication/column/2017/0704.html

みずほ情報総研「コラム」より。指導者、育成対象者の両者がパートタイム労働者であるときのように、一人の指導者が一人の育成対象者の教育を担当しづらい場合には、「育成対象者同士で能力を高めあえる仕組み」を設けたり、「複数人の指導者を設定」、もしくは「指導者が適切に教育を実施しているか確認する担当者を設定」したりする工夫が肝要だと考える。しかしながら、従業員同士の学びあい任せの部分が増えて、指導者が教育を軽視したり、複数の指導者・担当者がいることによって、指導者・担当者間で育成対象者が身につけるべきスキルに関する認識の相違があり教育内容に差異が生じたりする可能性がある。この事態を回避するためには、「従業員の持つべきスキルの明文化・項目化」と「指導マニュアルの整備、指導者に対する研修」が重要である。「柔軟な働き方の導入」に伴って、企業は従業員の多様な働き方を一層考慮した教育訓練の方策を考えていく必要がある。


成長・多様化する中国のサービス産業―高まるイノベーションへの期待―
【株式会社 三井物産戦略研究所】
http://www.mitsui.com/mgssi/ja/report/detail/1223850_10674.html

三井物産戦略研究所「レポート」より。サービス分野で成長している企業は、独自に先進的なビジネスモデルを構築しており、高い水準の技術力や経営力を有している。また、これらの企業の多くがスタートアップを支援するエコシステムも構築している。巨大な人口を有する中国で所得水準が向上したことで、企業が技術力や経営力を活かせる環境も整ってきており、中国企業発のイノベーションが増えてくることが予測される。近年、小売業や外食産業などにおいて、中小規模の事業者が実際の店舗を持たなくても、自社の製品やサービスを消費者に提供できるプラットフォームが構築されてきている。中国では地場で高いシェアを持つ有力なプレーヤーが成長する前に、プラットフォームが先行して成長しており、それらは業界全体の質や生産性の向上に際しても、大きな役割を担っている。巨大化するプラットフォームと、多数の中小事業者が共存共栄していくという点で、先進国とは産業の発展プロセスが異なっており、このプロセスのなかで先進国にはないビジネスモデルが生み出される可能性が高まっている。


定年に関するアンケート調査
【株式会社 第一生命経済研究所】
http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/pdf/ldi/2017/news1706.pdf

第一生命経済研究所の調査。再就職先の決定に至る状況では、再就職をした60代の「前職を退職する前から、再就職先が決まっていた」への回答割合は男性36.8%、女性22.2%。再就職先の探し方では、男性は「知人・友人が紹介してくれた」(36.8%)、女性は「ハローワークを利用した」(33.3%)が最も多い。60歳を過ぎても職業生活を継続するために必要なことでは、再就職をした60代女性は「専門的な知識・技能」(31.3%)と「幅広い知識・技能」(29.2%)の回答割合が女性の中では高い。60歳以降も職業生活を継続するために実行していることでは、再就職をした60代の「仕事で活用できる資格を取得した」割合は、男性20.5%、女性16.7%で勤務継続をした人よりも高い。60歳以降も職業生活を継続するために自発的に実行していることが特にない理由では、60代では男女とも「仕事上必要な知識・技能が既にあるので必要がない」の割合が男性50.0%、女性42.1%で最も高い。勤務先から定年後の仕事に関する情報提供を受けたかでは、「定年後の仕事内容や労働条件についての情報提供を受けた」と回答した60代の割合は男性51.2%、女性36.1%。


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