人材開発に関する最新情報をお届けいたします
(2017/06/05)
毎週更新


今後の雇用政策の実施に向けた現状分析に関する調査研究事業(平成28年度)の報告〜IoT・ビッグデータ・AI等の普及・進展による雇用・労働への影響を検証〜
【厚生労働省 職業安定局】
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000166535.html

厚生労働省の調査。人手不足と相殺される部分があるため、全体の雇用量を減らすほうに働くことが、そのまま今働いている人の雇用を無くすこと(失業)を意味するわけではない。だが、省力化が人手不足を上回れば失業が生じる可能性はある。AI等を効率・生産性の向上目的で活用するという企業が多いが、AI等をツールにして新しい価値を生み出す経営を行う企業が増えなくては、雇用量は増加しないことになる。遅かれ早かれ多くの企業が AI等の進展・普及の影響を受けることになると思われる。必要性を感じながらも対策を講じられていないことに、企業や個人はもっと危機感を持つべき。企業は可能な限り新しい業務・役割に従業員をシフトさせるとしているが、影響の規模やスピードに企業の対応が追いつかなければ、中長期的にみれば雇用機会が失われる可能性もある。アンケート調査でも、これまでの技術革新に比べ影響の範囲が大きいと考える企業は多く、技術革新のスピードが速いと考える企業もある。企業は自らの成長のため、また労働力の供給が減少する中、稀少な人材から選ばれる企業となるためにも、AI等への投資を行い、新しい価値の創出のため AI等を活用していく必要がある。


平成28年度地域中核企業創出・支援事業(地域中核企業等支援に係る実態調査)報告書
【経済産業省 経済産業政策局】
http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H28FY/000233.pdf

アクセンチュアの調査。本調査では、全国10地域の30企業、28支援機関へのヒアリングを元に、地域中核企業ならびに候補企業の現状、課題、それらに呼応する支援機関の支援ギャップや課題を明らかにした。企業の課題としては、1.候補企業化、2.地域中核企業化、3.地域中核企業の継続的発展のそれぞれの段階で課題の変遷が見られた。1.2.では販路の確保が課題だが、3.に至るにつれ、ヒト、技術、情報などの課題の重要度が相対的に増してくる様相が伺えた。さらに、経営資源による分析を行い、特にヒトに関して、企業の発展局面や、業態が対法人(BtoB)か対個人(BtoC)かの違いにより、労働力/経営人材の不足の発露する場面の違いがみられた。これらの課題を克服し、候補企業が地域中核企業となることで様々な波及効果がもたらされることを検証した。また、支援機関が地域中核企業となるまでの過程を支えた好例も聞かれ、企業が抱える課題を解消するうえで、支援機関の役割は大きい。


企業の採用動向の経年変化2006〜2014年度―「採用動向と採用見通しに関する調査」のパネル化―
【リクルートワークス研究所】
http://www.works-i.com/pdf/DP_0019.pdf

ワークス研究所「Works Discussion Paper」より。大学生・大学院生の新卒採用と正規社員の中途採用に注目し、それぞれの採用実績人数の決定要因について分析を行った。分析の特徴として、パネル調査の利点を活かし、個別企業の要因であるFixed Effect(固定効果)をコントロールし、個別企業の要因を除去したうえで、どのような要因が影響しているかを見ていくことである。2006〜2014年度の経年変化をグラフで見ても、リーマンショック前後の変化は新卒採用と中途採用で変化があるだけでなく、従業員規模や産業においても違いが見られた。また、売上と1期前の実績人数でコントロールした多変量解析においては、新卒採用について、調査年固有の効果、1年前の採用人数で決定することが判明し、これまで言われているように、ほぼ前年の人数に従って採用人数を決めている。その年固有の経済ショックなどに応じて変化させる、それは企業によって対応が異なるのではなくほぼ多くの企業で同様の対応を取るといえることが分かった。それに対し、中途採用については、調査年固有の効果、1 年前の採用人数だけでなく売上も決定要因に含まれることが分かった。売上が企業の業務量の代理する変数であるとすると、企業の業務量が増えたときに中途採用を増やす傾向があることがデータ分析によって明らかになった。


「ものづくり産業を支える企業の労働生産性向上に向けた人材確保、育成に関する」調査
【JILPT 独立行政法人 労働政策研究・研修機構】
http://www.jil.go.jp/press/documents/20170602.pdf

労働政策研究・研修機構「Press Rerease」より。過去3年間で、ものづくり人材の新卒採用を行った企業割合は28.2%で、中途採用が64.6%。新卒採用、中途採用ともに、採用を行った企業割合は、規模の小さい企業ほど低い。また、規模が小さくなるほど、募集したものの採用できなかった企業割合が高まっている。ものづくり人材の採用・確保に対する評価について、8割弱の企業が〈応募がない・少ない〉、また〈求める技能レベルの人が採用できない〉と思う(「そう思う」+「どちらかといえばそう思う」)と回答。〈若い人が採用できない〉と思う企業も約7割。ものづくり人材の育成・能力開発における課題(複数回答)でも、トップは「若年ものづくり人材を十分に確保できない」(46.3%)。規模が大きくなるほど、「指導する側の人材が不足している」など指導する側に課題をもつ企業割合が高まっている。生産性の向上など競争力強化に向けて実施している取り組み(複数回答)では、「コスト削減」(42.5%)をあげる企業が最も多い。ただ、実施している取り組みのなかで売上に最も貢献しているもの(単一回答)をみると、「他社にはできない加工技術や作業工程」(15.3%)がトップにあがる。


全国女性社長分析(2017年)
【株式会社 帝国データバンク】
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p170503.pdf

帝国データバンクの調査。2017年4月末時点の女性社長は企業全体の7.69%を占め、10年前(2007年)と比較して1.45ポイント、前年(2016年)との比較でも0.09ポイントの上昇と、緩やかな増加傾向となった。企業が本社を置く都道府県別では、「青森県」が10.33%を占め最も高く、以下「沖縄県」の10.32%、「徳島県」の10.19%が続き、この3県で女性社長比率が1割を超えた。年商規模別では、年商「5000万円未満」の女性社長比率が10.62%で最高。以下、年商が大きくなるにつれて女性社長比率は低下し、「100億円以上」では1.36%にとどまった。女性社長比率が高い業種細分類別の上位業種をみると、子育てや介護、美容や教育といった生活に根差した分野で女性社長比率が高く、なかでも「保育所」は44.70%を占め突出している。就任経緯別に女性社長をみると、「創業者」が41.5%を占め最高。このうち、2016年以降に新たに創業または就任した新任女性社長をみると、「同族継承」が33.9%でトップとなった。


今年で10年目!新社会人の意識調査(2017年)
【株式会社 マクロミル】
http://www.macromill.com/honote/20170530/report.html

マクロミルの調査。今年の新社会人に、就職した会社を選んだポイントについてたずねると、「仕事内容」が35%で、10年連続のトップとなりました。しかし、前年と比較すると24%の減少で、過去10年間で最低となっています。一方、前年と比べて最も増加しているポイントが「経営の安定性」22%で、前年に比べ11%の増加となり、過去8年間で最高でした。現在の会社に入社・入職する前と後で、会社のイメージにギャップがあった聞くと、51%が「ギャップがあった」と回答し、2年連続で増加しています。ギャップの内容は、「残業が多い」「給与が少ない」がともに27%でトップでした。今年4月に新卒で入社してから、アンケートに回答した5月までの間に、会社を辞めたいと思った経験の有無をたずねました。「ある」は36%で、2年連続で増加しています。理想の社長、上司・先輩、同期、後輩を有名人で例えると誰かたずね、ランキングの1位から理想の職場を再現したところ、社長「明石家さんま」、上司・先輩「天海祐希」、同期「有村架純」、後輩「広瀬すず」となりました。


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