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新入社員の質問が職場を活性化につながる
 新入社員が入社して半年ぐらいが経過するこの時期にフォロー研修を実施す
ることがあります。通常は半年間の振り返りを中心に行います。入社前-入社
後のギャップ(企業・組織に対するイメージ、仕事に対するイメージ)を明ら
かにすることもあれば、入社後半年間の気持ちや行動の変化を確認することも
あります。最近、振り返りの一つとして、半年間でどれぐらい職場で質問して
いるかを、フリーハンドでグラフ化するようなことも実施しています。感覚的
ではありますが、どんな時に質問をしているか(していないか)を確認したり、
質問そのもの増減を確認しています。

 組織によって異なりますが、ある程度仕事に慣れてくると質問が減ってしま
う傾向があります。また一度減ってしまうと同じ仕事をしている場合は、質問
の量が増えることは少なく、停滞することもあります。

 職場では、質問をすることで生み出されるコミュニケーションがあります。
勿論、何度も同じような質問をしているようでは困りますが、より多面的な情
報を得るためにも質問しながら情報取集を図ることが求められます。特に最初
は、ある程度の質問の量を確保しなければ、質問の質も上がり難いと考えられ
ます。

 新人に限ったことではありませんが、誰かが質問することで、その質問に回
答しようとする回答側の思考のスイッチが入ります。誰かに質問されることで、
刺激を受け、その反応で回答者の行動・考動を生み出しているとも言えます。
 質問は、質問した側が情報を入手するとともに、質問された側にも新たに考
えるきっかけを生み出しているケースがあります。質問する側-される側、双
方向に刺激があることが職場の活力にもつながっていきます。

 入社後半年経過したこの時期にもう一度質問を意識的に増やすように促して
います。新人や若手が気軽に質問をできる職場、気軽に声を出せる職場は、や
はり活気があります。質問によって生み出される職場内のコミュニケーション
は、貴重な職場の活力です。経験と共に質問の量・質が高まっていくような風
土づくりが理想ではないでしょうか。


             (2018/11/12 人材開発メールニュース第998号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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