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人事周りをすっきりと
 組織は目的に応じて作られるものですが、大きな目的で一つ大きな組織(企
業)をつくり、その組織の中に細分化された目的と小さな組織(部門)が作ら
れるような構造になっていることが多いと言えます。組織の中では、目的に応
じて、役割が決まり、その役割を担う担当が決まり、組織の生成が絶えず繰り
返されています。

 起業やスタートアップの場面では、一人や少人数で役割を担う形ですが、実
際は担いきれない部分を、外部と連携を取りながら進めていることが多いと言
えます。そういう意味では、組織の中に組織ができる形もあれば、組織の外に
組織ができて連携性を保つケースもあります。いずれにしてもいくつもの組織
が入り組んだ構造を保ちながら、また変化に適応するために絶えず変化しなが
ら、組織として生存しているとも言えます。

 色々な組織を見る中で、やはり活力がある組織、勢いがある組織の特徴とし
て、組織そのものがわかりやすい、組織の役割がわかりやすいことが挙げられ
ます。逆に勢いがあった組織が停滞する一因として、役割と組織の形態が合っ
ていないことが挙げられます。役割が増減する中で、担当の抜け漏れが発生し
役割機能が果たせないところから組織が崩れ始めることはよくあることです。

 特に人事(周辺)関する領域は、変化が激しく、役割の抜け漏れが発生しや
すい状況です。役割・担当が不明確な組織ほど、採用や育成、組織基盤の整備
が機能せず、人手不足・人材不足の影響をまともに受けることが増えている状
況です。基本的なことですが、役割を洗い出して誰が何を担当するか、無駄な
重複がないことも含めて、見直すことが必要です。人に関する課題が増える中
で、人事周りの役割・組織をよりわかりやすくすることは今後益々求められる
と言えます。


             (2018/10/29 人材開発メールニュース第996号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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