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就活ルールの撤廃表明を受けて
 とうとうと言うか、いよいよと言うか、9月、経団連の中西会長が就活ルー
ルの撤廃を表明した。現実的にはほとんど意味のないルール、有名無実化レベ
ルのものだが廃止されれば1953年に就職協定として始まった基本ルールが、実
に半世紀以上を経て廃止されることになる。

 今後、経団連・政府(官邸、文科省含む)・大学での協議を経ての決定とな
ると思うが、一つ、気になっていることがある。
 それは中西会長が会見で「経団連が採用日程を決めること自体に極めて違和
感がある、『何月解禁』ということは。経団連として言わない」と述べたこと
で、現状の3月1日解禁、6月1日採用選考開始のスケジュール自体には言及して
いない点である。

 こうなると、最早、「どこが言うか」が争点になるのではないか。私自身で
見ると現実問題として学生に就活を指導している身から言えば、「何らかの目
安」が欲しい。やはり、私が教えている学生には、スタート時期を示さないと
動き出さない、もっと言えば、動けない。大半の学生がそうではないかと思う。

 「どこが言うか」が争点であれば、その役割を経団連が手放すのであれば、
今後は政府(官邸、文科省含む)が担えばいいと思っていたら、政府が維持を
発表した。

 そもそも安倍総理の意向で、2013年に3月1日解禁、8月1日採用選考開始の日
程が決まった経緯もある。とは言うものの、経団連加盟企業でもルールを守っ
ていないとも言われる状況下であれば、「どこが」言ったとしても同じだった
かもしれないが。


             (2018/10/08 人材開発メールニュース第993号掲載)


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