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多様な働き方を選択・尊重する環境づくり
 人口減少が進む中、様々な場面で、働き手・担い手が不足しています。労働
力不足の解消を図るため働き方改革が進められていますが、労働力不足が量的
なものか質的なものか、不足する状況を見極めた上で戦略的に取り組むことが
求められています。

 これまでは企業側の求めるニーズに基づいて人材を調達し、企業のニーズや
ルールに添わない場合は、比較的簡単に手放(リリース)し、また新たな労働
力を探す時代だったと言えます。しかし、労働力不足が深刻化し、調達源が限
られる中で、企業のニーズ・ルール主導ではなく、従業員個々人のライフイベ
ントやニーズも考慮しなければ、労働力の確保が担保できない時代になってい
ます。
 少し条件を変えれば、働くことが可能な労働力をどう活用するか、働き方改
革の大きなテーマです。

 働き方改革を進めるためには、前述の通り「多様な働き方を選択できる」環
境づくりがまず必要になります。個々のライフイベントやニーズに合った働き
方をどれだけ準備できるかがポイントです。各企業(組織)に根付いている今
までの働き方に加え、もう少しバリエーションを増やせないか、そういう視点
が求められます。

 次に重要なのは「多様な働き方を尊重できる」環境づくりです。個々の状況
に応じて多様な働き方を準備して選択できるようになっても、異なる条件で働
く人々が互いに尊重できる環境が無ければ長続きしません。制度面も含め、ど
う公平感を維持するかがポイントです。

 多様な働き方を尊重できる組織の源泉は、支え合い・助け合いの文化・風土
であると言えます。労働力不足を解消するために、支え合いや助け合いに頼ら
ずに省力化に傾倒する方法もあります。しかしヒトが介在する以上、全てを省
力化することは難しいと考えられます。組織の目指す目的に向かって、支え合
い・助け合いの文化・風土をどう構築していくか、人材開発、組織開発におい
て益々重要になるのではないでしょうか。


             (2018/09/17 人材開発メールニュース第990号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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