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重層的なロールを意識する
 意識しているしていないは様々ですが、人はたくさんのロール(役割)を担
って日々を過ごしています。ビジネスの場面、それ以外の場面においても多様
なロールを背負い、様々なアクションを起こすことで、周囲に影響力を行使し
ているとも言えます。

 一つの作業を担当している場合でも、作業中は一担当者として役割を担って
います。またその人が別の部署の方とやり取りしている場面では、所属する部
門の一員と言う役割を担っています。またその人が社外の人とやり取りしてい
る場面では、所属する会社(組織・団体)の一員と言う役割を担っています。
さらにフィールドを拡げて考えると、ある時には業界を代表する一員、地域を
代表する一員、さらには国を代表する一員のような場面があるのかもしれませ
ん。

 当たり前ではありますが、様々な人や組織との関わりの中で働いていると、
自然と様々なロール(役割)を担うことになります。立っているところは同じ
であっても、自分の立ち位置をどう定めるかによって、様々なロール(役割)
を担っていることがわかります。

 視野が広い、多面的な視点を持っているという言われる人材の多くは、この
重層的に担うロールを、常に行ったり来たりしていると考えられます。一担当
者として考え行動する場面もあれば、会社を代表して考え行動する場面もあり、
場合によっては、業界・地域・国を代表して考え行動しているようなイメージ
です。一つの位置に留まることなく、常に立ち位置を変えながら物事を捉えて
いると言えます。

 重層的なロール(役割)は意識することで、身につきやすい行動規範でもあ
ります。特に若い世代は、たくさんのロールを同時に担っていることを意識で
きると、視野が広がることが期待されます。そのためにも、多様な立ち位置か
ら考える機会を提供することが必要です。何気ない「違う立場から考えるとど
うかな?」といった投げかけが、メンバーを成長させる一助になると言えます。


             (2018/07/30 人材開発メールニュース第984号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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