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考えさせるリーダー
 最近管理職になりたくないという若者が増えているという声をよく聞きます。
その一方で管理職というポジション(役職)には就きたくないが、ポジション
に関係なくリーダーシップを発揮できる人になりたいという声は増えているよ
うです。リーダーシップの考え方やスタイルは様々ですが、周囲に影響を与え
る人になりたいという声は根強いと思われます。

 周囲に影響を与えるためには、「考えさせる」ことが大切な要素の一つにな
ります。勿論、自分自身も考えることが必要ですが、同時に周りのメンバーに
考えさせる、考えさせることで力を引き出すことが大切です。

 考えさせる方向性には二つあります。一つは直接的に考えさせる、もう一つ
は間接的に考えさせることです。

 一つ目の「直接的に考えさせる」とは、現場にいかに「良い問い」を与える
かということになります。どういう問いかけをすると、現場は動き始めるのか、
大切なテーマです。問うことで現場からアイデアが生まれ、アイデアが具体的
に実行・実現されるサイクルが機能すると、現場は活性化します。現場が動き
出す・走り出すような問いを与えることが求められます。

 二つ目の「間接的に考えさせる」とは、リーダーとしての姿勢を見せるとい
うことになります。直接メンバーに何かを働きかけるのではなく、自分自身の
日々の取り組み姿勢を見せて、周りに刺激を与えるということになります。背
中で語るとよく言われますが、その姿を見て、良くも悪くも周りが何かを感じ
取っていれば、影響力が発揮されていると言えます。

 メンバーに考えさせる、考えて行動が生まれることは大切なことです。その
ために、周囲を動かそうと働きかけることも必要かもしれませんが、寧ろ自分
自身が目の前のことに真摯に取り組むことが必要です。自分のことに真摯に取
り組むことが一番の影響力の源泉だと考えられます。
 誰かに影響力を発揮するためには、自分自身に対してリーダーシップを発揮
することが必要ではないでしょうか。


             (2018/07/16 人材開発メールニュース第982号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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