Back Number

女性管理職こそダイバーシティ&インクルージョン
 今に始まったことではありませんが、女性活躍促進法の制定など、女性の活
躍機会の機運が高まっています。大手企業を中心に女性管理職の数も確実に増
加する一方で、女性活躍がなかなか進まない組織も数多く存在します。

 会社の規模に限らず、女性が活躍しにくい組織の傾向として、管理職を希望
する女性が少ないことが挙げられます。母数としての女性従業員の絶対数や割
合が多いことも勿論必要ですが、管理職を敬遠する傾向が強い組織は、当然の
ことながら女性管理職もなかなか増えません。管理職になることだけが活躍の
方向性とは言えませんが、様々な活躍機会がある中で、女性の管理職が増える
ことも大事な要素だと言えます。

 管理職を希望する女性が少ない組織では、管理職もしくは女性管理職に関す
るイメージ、いわゆる管理者像も固定化している傾向があります。「管理職は、
こうあるべきだ」という感じで、暗黙のルールのようなものが根付いている状
態です。できれば管理職を目指したいが「管理職の○○さんのようにはできな
い」そんな会話が多い組織は、女性だけでなく管理職が育ちにくいのではない
でしょうか。

 働き方改革が叫ばれる中で、仕事そのものの変革、当然管理職の仕事の変革
も必要です。固定化された管理職像に人材を当て嵌めるだけでなく、これだけ
価値観も多様化し、環境も大きく変化している時代においては、管理職像その
ものを見直す必要があります。
 女性管理職が多い組織は、当たり前ですが様々なタイプの管理者が存在し、
女性管理職も多様化している印象を受けます。もはや「女性管理職」という括
りそのものが不自然でもあります。

 今後は管理者像や活躍するイメージも多種・多様な例を提示することが必要
だと言えます。男性の女性や女性管理職に対する捉え方も勿論ですが、女性の
女性管理職に対する捉え方もまだまだ偏っている組織も存在します。性別関係
なく女性管理職に関する捉え方そのものに「ダイバーシティ&インクルージョ
ン」という観点が求められるのではないでしょうか。


             (2018/03/19 人材開発メールニュース第966号掲載)
                          humanize:吉次 潤


Go to Back Number Index
Go to Top Page