Back Number 平面的・立体的リスニングを繰り返す カウンセリング(キャリアカウンセリング)を行う際に、傾聴・アクティブ リスニングは、基本姿勢として非常に大切です。 傾聴・アクティブリスニングのスキルを伸ばしていく方法として、平面的な リスニングを強化する方法と立体的なリスニングを強化する方法があります。 平面的なリスニングとは、最も基本的なスキルになりますが、相手(クライ アント)の言葉をありのまま・そのまま受け取るということです。イメージで 行くと、カウンセリングの場面を録音して、一言一句逃さずに文字お越しして いくようなイメージです。できるだけカウンセラーの解釈を入れずに、そのま ま聞き取ることが必要になります。 次に必要なのが立体的なリスニングです。平面的なリスニングが、「言葉を そのまま」ということに対し、立体的なリスニングでは、発した言葉の強弱や トーン、スピード、抑揚などを確認していきます。イメージとしては、平面的 なリスニングで文字お越しした内容に、強弱・トーン・スピード・抑揚等の視 点で色付けをしていくような感じでしょうか。クライアントの同じ発言でも、 その時その時の話し方で、印象が異なります。当然、発言・言葉の意味合いも 変わってきます。 まずはしっかり平面で漏らさず言葉を拾い上げ、その上で立体的に見ていく ことができると、傾聴・アクティブリスニングのレベルは大きく変わってきま す。言葉は勿論大切ですが、言葉と併せて出てくる熱量、雰囲気、すべてを含 めてメッセージが発信されていると言えます。言葉と言葉の周りに付随する空 気感をいかに受け取るかが大切です。 言葉に対する解釈は人それぞれ異なるために、他者の言葉をありのまま・そ のままにリスニングすることは不可能です。不可能であることを前提に、でき る限り、ありのまま・そのままに聞こうとする姿勢・意志が求められていると 考えられます。ありのまま・そのままに傾聴するために平面的・立体的なアプ ローチを繰り返すことが必要ではないでしょうか。 (2018/03/05 人材開発メールニュース第964号掲載) humanize:吉次 潤 Go to Back Number Index Go to Top Page |