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働き方改革:仕事の取り組み方を見直す
 最近の流行ではありませんが、働き方改革に関するプロジェクトをいくつか
担当させていただいております。いつも同じ指摘をしていますが、人によって
もしくは組織によって「働き方改革」の捉え方や意味合いが異なり、同じテー
マで話していながら意思疎通が上手くいっていない、そういうケースが増えて
います。

 働き方と言うと、どうしても労働時間や休日休暇、賃金など労働条件的な部
分に目が行きがちですが、本来は「仕事の取り組み方」を変えて生産性向上を
図ることが目的です。

 仕事の取り組み方、もっと言えば仕事そのものを見直すことも必要です。
 本当にその仕事は必要か、どの仕事が自社の優位性に貢献しているのか、丁
寧に何度も問い直すことが必要です。「顧客・市場の要望にどこまで対応する
のか」、経営戦略・人材戦略を考える上で大きな課題です。例えば、コンビニ
業界では24時間営業を継続すべきどうか検討する動きが始まっています。何を
優位性、必要性として考えるのか、組織運営方法も多様化していく動きが強ま
るのではないでしょうか。

 働き方改革が進みにくい組織では、仕事が硬直化している傾向が強いと言え
ます。物理的に硬直していると言うよりも心理的に硬直している印象を受けま
す。「この仕事を変えることはできない、止めることはできない、省くことは
できない…」最初から思考停止していることも少なくありません。むやみやた
らに省略することを推奨しているわけではありませんが、一つひとつ見直すこ
とによって自社のコア業務は何か、研ぎ澄ましていくことが必要です。

 仕事の取り組み方に絶えず素朴な疑問を持ちつつ、トライアンドエラーを繰
り返せる組織でなければ、働き方改革は定着しないのではないでしょうか。


             (2018/01/22 人材開発メールニュース第958号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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