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新卒採用の現場から・2017年冬
 11月20日に日本私立大学連盟が、企業が採用時に実施する一日限りのインタ
ーンシップでの「ワンデー・インターンシップ」という呼称をやめるよう経済
団体などに求める提言を発表した。

 「就業体験とは名ばかりで、実質的な先行の場になっているケースが多く」
学生に「無用な混乱と負担を招いている」として、「本来のインターンシップ
と明確に分離すべきだ」としている。

 一方、全国の大学でつくる就職問題懇談会と内閣府が行った企業や学生への
意識調査によると17年度にインターンシップを実施した企業は、46.8%とほぼ
半数に達し、実施日数は一日が最も多く38.2%という。「インターンシップは
一日」が定着した感がある。実施時期は2月と8月が最も多く、3月1日解禁を前
にすれば学生への自社認知・アピール、優秀学生の囲い込みを意識すればする
ほど、2月に一日型が多くなるのは自明の理といえる。また、同調査ではイン
ターンシップで採用のための選考をしている企業は7.4%、実質的な説明会、
選考の場になっているといっていいだろう。

 それを前提に、大学ではインターンシップ、業界研究セミナー、ダイレクト
リクルーティング関連のイベントに出るように学生の尻を叩いている。

 先日、教え子の学生が東海地区の中堅どころの企業のインターンシップに参
加して、本番でのエントリーシートと第一次面接の免除権(?)をもらってき
たが…と相談に来た。来年3月1日からは二次面接からスタートできるという。

 多分、今後、こんなことが横行するだろうし、2月には内定出し(実際は今
年も3月1日時点で6.2%内定※リクルートワークス調べ)も進むだろう。

 学生争奪戦は早くも大混戦、心理戦、体力戦、消耗戦に入ろうとしている。


             (2017/12/11 人材開発メールニュース第953号掲載)


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