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個々人のストーリーの集合体である組織
 採用環境が厳しくなる中で、採用そして入社後の定着・活躍を促すためには、
規模の大小に関係なく、候補者に自社(組織)のこと、その組織(企業)の独
自性を正しく理解してもらうことが求められます。そのためには、自社(組織)
のストーリー(物語)を語ることが効果的です。

 ストーリー(物語)をまとめる進め方として、組織にフォーカスする方法と
従業員にフォーカスする方法があります。

 組織にフォーカスする方法は、組織の生い立ちを辿る方法です。どんな形で
始まり、どんな歴史を乗り越え、どこに向かっているのか…創業からこれまで、
そしてこれからをまとめていく形になります。過去−現在−未来とそのストー
リーを伝えることで、その組織(企業)の独自性が明確になります。

 さらに細かく追求する方法が従業員にフォーカスする方法です。創業者(メ
ンバー)がどのような形で出会い、集まり、これまでに所属した従業員がどの
ような形で集まり、またどのような形で離れていったかをまとめる方法です。
よく航海に例えられますが、乗船するクルー(従業員)もそれぞれ乗船するま
でに様々なストーリーを持っています。どこかのタイミングで船を降りること
になったクルー(従業員)も乗船また下船するに至るまで様々なストーリーが
あると言えます。

 組織は今いる人、過去にいた人が、集まったり、離れていった結果、生成さ
れたものでもあります。個々人も持つストーリーの集合体が組織のストーリー
でもあり、その結集されたものが他にはどこにもないその企業(組織)の独自
のストーリーであると言えます。

 採用環境が厳しくなる中で、他社のやり方やノウハウを参考にすることも勿
論必要ですが、自社のリソースを有効活用することも重要です。どんな人が入
ってきて、どんな人が活躍しやすいのか、その背景や要因が明らかになると採
用や入社後の定着・活躍の確率が高まります。

 これまでかかわったヒトの分だけ存在するストーリーをどれだけ活用できる
か、採用に限らず人材開発の大きなテーマではないでしょうか。


             (2017/10/30 人材開発メールニュース第947号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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