Back Number 多様で柔軟な働き方を実現する多様で柔軟な意見交換 最近の人材開発のキーワードの一つとして「働き方改革」が挙げられます。 実際に「働き方改革」をテーマにした研修やセミナーに携わる機会が増えてい ますが、正直なところ少し偏っている印象を受けます。特に感じるのは、多様 で柔軟な働き方を選択できることが必要なはずですが、一律に残業削減や長時 間労働是正ということだけに焦点が当たっている印象を受けます。当然、長時 間労働は是正される必要がありますし、また時間の使い方を変えなければ、働 き方にも変化が生まれないのも当然です。 しかし、本来は心身のバランスを崩すような働き方が問題であって、単純に 時間の長さの問題ではないと言えます。 個人と組織が互いに成果を生み出しやすい、多様で柔軟な働き方をお互いに 作っていくことが必要です。そこには当然確固たる正解があるわけでもありま せん。正解がないので、お互いに作ることが必要なはずですが、経営者はこう すべきだ、労働者はこうすべきだという、二者対立の構図で話が進んでいるも のが多い印象を受けます。 多様で柔軟な働き方を生み出すためには、多様なアイデアが必要であり、多 様な人のかかわりが必要です。当然何か新しいものを生み出すプロセスにおい ては、衝突や摩擦も生じます。衝突や摩擦も含め、多様で柔軟な働き方を生み 出すためには、まずは組織に中で多様で柔軟な意見交換ができる仕組みが必要 ではないでしょうか。 心身のバランスを崩すような働き方は、当然個人にとっても組織にとっても メリットはありません。バランスを保つ働き方を実現するのは、最低ラインで あり、今後さらに求められるのは、保つレベルを超えてより実力を発揮できる レベル、保有する実力をできるだけ発揮して、個人も組織も満足感や充実感を 感じられるレベルを実現できるかどうかです。少なくとも、そこを目指して多 様で柔軟なアイデアや創発が生まれる仕組みが必要ではないでしょうか。 (2017/07/24 人材開発メールニュース第934号掲載) humanize:吉次 潤 Go to Back Number Index Go to Top Page |