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ハラスメントの温床
 人手不足・人材不足が大きな課題となる中で、活躍しやすい環境づくりが求
められています。その一方で、働く人々の価値観や、働き方そのものが多様化
する中で、ハラスメント(いじめ、嫌がらせ)の問題も根強く、その相談も尽
きない状況です。

 以前はハラスメントと言えば、よくニュースとして取り上げらるものは、セ
クハラやパワハラが中心でしたが、前述のように価値観や働き方の違いが、一
つの職場環境に混在することで、ハラスメントも多様化しています。一人一人
の生い立ちも当然異なり、誰かにとっては当たり前で気にならないことも、別
の人にとっては、不快なものになるような可能性が増えているとも言えます。

 どこまで対応するかも含め、今後益々ハラスメントに関しては注視していか
なければ、働きやすいかつ働き甲斐のある職場づくりは難しくなると考えられ
ます。

 ハラスメントを減らす鉄則は一対一の関係性をできるだけ作らない、できる
だけ第三の目を入れるということにあります。組織の中で何かを行うときに、
ハラスメントの被害者・加害者といった一対一という孤立した関係を作らない
ことが鉄則です。社内でも勿論ですが、対顧客・対取引先・対関係者など、社
外に対しても同様です。孤立した関係が多いと、言った・言わない、した・し
ていないなど、それぞれがそれぞれの感覚で主張し始めます。悪意があるもの
もあれば、無意識のものもあります。いずれにしても、まずは一対一にならな
い環境を作り、より多様な目で見ることが必要です。

 当然ではありますが、ハラスメントで悩む組織ほど、一対一の場面が多いの
が実情です。よく個別で、一対一でなければ本音が話せないと言われることも
あります。関係性ができていれば問題ありませんが、お互いの関係性の認識が
ずれていればいるほど、その一対一のコミュニケーションがハラスメントの温
床になっています。

 いずれしても必要以上に一対一のコミュニケーションが行われていないか絶
えず確認することでハラスメントを予防することができると言えます。


             (2017/04/24 人材開発メールニュース第922号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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