Back Number

就職支援の現場から・2017年春(1)
 三月中旬から末にかけて、教え子たちから内々定のメールが来始めた。
 「早すぎないか」とは思ったが、社名を聞いてまあ、この業界・規模・水準
なら早めに内々定を出すだろうと感じた。彼ら彼女らも十分理解していて、大
半が「滑り止め」「練習台」「小手調べ」と思っているようで、皆々、「本番
はこれからで!」という文言が就いているので頼もしい。

 三月に発表された日本経済新聞社の2018年春の新卒採用調査によれば、17年
実績(見込み)と比べ採用予定数は9.7%(理工系は14.8%)増と少子高齢化
や働き方改革、景気動向、さまざまな特需などが絡み合って、企業側の採用意
欲は高い。学生にとっては願ってもない追い風といえる。人口構造的にいえば、
この状態はこの先、ずっと続くのだから、企業側も大変だ。

 さて、その調査によれば、介護、陸運、外食など人手不足が深刻な労働集約
型のサービス業で求人意欲が強いとのことだが、反対に、私の教え子をみると
(文系)その手の業界への応募希望が極端に減っているのも事実である。3−4
年前は外食や流通への希望者が多かったように記憶している。

 元々、私の関係する大学は東海地区にあるので、自動車関係の製造業希望は
多い。その傾向は今でも変わらないが、昨年当たりはロボットやFA系の製造業
を希望する学生が増えてきた。それを反映したか、今年三月卒業の学生がロボ
ット系1社に6人採用されており、1社6人は大学始まって以来の快挙?珍事?と
なっている。東海地区はFA系の企業も多く、知っている限りで8人くらいその
手の製造業や商社に就職している。

 学生の目にも、AI系やロボットなど、人手不足をカバーする産業が“新大陸”
と映っているようだ。
 これも時代の流れであろう。


             (2017/04/03 人材開発メールニュース第919号掲載)


Go to Back Number Index
Go to Top Page