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相手の立場で…体感する機会を増やす
 最近のダイバーシティや「働き方改革」といったテーマで相談を受ける機会
が増えています。その中で、女性活躍推進関連のテーマに関してサポートする
機会も増えています。

 女性活躍推進においてよく言われることですが、基本的な考え方は、女性だ
けということではなく、男女ともに働き甲斐や働きやすさを追求することが必
要です。

 ただ実際に女性活躍推進に関する相談で多いのは、男性の理解が少ないとい
うのも勿論ありますが、割合的には女性(同性)同士の不公平感?の方が多い
状況です。例えば、育休などに代表されるように、子供がいる女性社員と子供
がいない女性社員では、子供がいる女性社員の方が、様々な制度が準備されて
いて優遇されている…そんな声が出てきます。
 制度利用者が増えれば増えるほど、制度を利用できる対象者とそうでない非
対象者間の微妙な意識のずれが、組織全体のギクシャク感を生み出すことにつ
ながることもあります。またどちらかが我慢すればするほど、状況は悪化して
いきます。

 「相手の立場に立って…」と言われますが、そう簡単に理解できるものでも
ありません。しかし、間違いなく今後は多様な価値観・仕事観・職業観を持っ
た人材と働く場面が増えていきます。少しでも相手に立場に立てるようになる
ためには、地道な方法ですが繰り返し練習が必要です。自分事として捉える機
会を創出することが必要です。そういった機会を、業務の中にたくさん取り入
れていくことも人材開発の大きな課題となるでしょう。

 様々な場面で多様性が進んでいることを実感する機会は増えています。しか
し、今までも無かったわけではなく、たまたま体感する機会、自分事として捉
える機会が少なかっただけなのかもしれません。閉鎖的な社会においては、機
会が少なくて済んでいたものが、グローバル・オープンな世界に移行する中で、
当然の流れだとも言えます。
 多様性をチャンスとして捉えるかピンチとして捉えるか、経営の在り方も大
きく変わると言えます。皆さんの周りではいかがですか?


             (2016/10/24 人材開発メールニュース第897号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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