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採用以外で人手不足・人材不足に対応する
 今年の新卒採用も10月の内定式を控え、ほぼ終盤を迎えようとしています。
巷で言われているように、企業側の求人意欲が高まる一方で、学生数の増加が
見込めないことからバブル期並みの売手市場になっており、採用目標に到達で
きず採用活動を継続している企業もたくさんあります。また今後もこの傾向は
続くということで、既に来期に向けての取り組みをスタートしている企業も多
いようです。

 採用をどうするか?悩みが多いとも言えますが、地方で堅実な経営をしてい
る中小企業の中には逆の動きをしている企業が数多く存在します。売手市場の
時には、あまり採用活動に力を入れず、設備投資をして省力化を図ったり、積
極的に業務提携をして他社のリソース・ノウハウを活用できるような体制づく
りを強化しています。逆に少し景気の状況が悪くなり、採用を控えるような動
きが出始めると積極的に人材採用に力を入れるといった、大手を中心とした一
般的な流れと逆の動きをしている企業が多数存在します。

 人手が不足している時は、どちらかと言えば景気も良く、資金の回転も高ま
ります。設備投資にしても資金を調達・回収しやすい環境になります。業務提
携も同様で市場が伸びている時期は比較的に緩やかな条件で提携することが可
能ですが、市場が厳しくなると途端にリスクを回避する動きが強まり、同じ提
携をするにしても細かい条件調整が必要になることが増えます。堅実な経営者
ほど、確実に実行しやすいものに力を入れてたり、潮目の流れの読みが鋭いと
感じることが多々あります。

 いずれにしても人手不足・人材不足をどう解消するかは、採用に限らず様々
な観点から考えていくことが求められる時代になっていきます。経営に必要な
リソースをどう調達するか、どれだけたくさんの選択肢を準備できるか、人事
に携わる担当者・部門の役割は益々重要になると言えます。


             (2016/09/12 人材開発メールニュース第891号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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