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明るさではなく、活き活きとした職場を!
 先日、「明るい職場」でなく「活き活きとした職場」にしていきたいという
話題で盛り上がっていました。「明るい」と「活き活きした」は似たような感
じですが、そこで話題になったのは、一見明るい?と思われる職場では、そこ
にいるメンバーは、意外と明るさを保つために疲弊していることがあるという
内容でした。

 明るい職場というと、みんなが協調して、働きやすさを維持することに力を
入れているイメージです。ただ、明るさだけを求めると、場合によっては周囲
に合わせている行為が多くなり、お互いの関係性を維持するために、衝突しな
いようする、当たり障りのない行動が増えているのかもしれません。また行き
過ぎると、お互いに注意できなくなり、小さな(大きな)ミスを見過ごすこと
も起こり得ます。このような状態が本来の「明るさ」と言えるかは疑問ですが、
波風を立てないようにパワーが働いていることはよくあることです。さらに進
むと、意識的ではなく無意識に、維持することに反応する組織もあります。

 一方目指したい「活き活きとした職場」のイメージは、明るさが優先すると
言うよりも、個々人が切磋琢磨しながら、チームとしても個人としても目指す
べき方向に進んでいるイメージです。そこでは明るさだけでなく、時には衝突
もあります。ぶつかり合いながらも、互いに目指すべき方向を模索しながら、
進んでいる、個々人が自信を持って、自発的に、自立していることが多いと言
えます。

 再度、一見明るい職場を観察すると、メンバーに自信や安心が無いのではな
いでしょうか。自信や安心が無いために、踏み込めない、変えられない、維持
する方向に力が働くことはよくあることです。維持することは、悪い事ばかり
ではありませんが、変化が激しいと手詰まりになることがあります。

 職場を明るくすることは大切なことですが、何のために明るくするのか、明
るさが必要なのか?そういった議論も今一度必要なのかもしれません。


             (2016/06/27 人材開発メールニュース第881号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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