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フィードバックとは?
 育成の現場でよくフィードバックという言葉を使います。フィードバックと
は、帰還という意味ですが、アウトプットの結果をインプット側に還元し、シ
ステム全体の調節を図ることと言われています。

 ビジネスの場面では、顧客やユーザーなど製品・サービスの利用者からの反
応・意見・評価を生産側や提供側に伝え、改善につなげる動きを意味していま
す。反応や結果を素早く読み取り、改善や調整につなげることだと言えます。

 フィードバック力(能力・機能)が高いと感じる企業・組織にはいくつかの
共通点があります。一つは、目標に順じてフィードバックができているという
ことと、もう一つは、スピードが早いと言うことが挙げられます。

 一つ目の目標に準じたフィードバックについては、フィードバックの効力を
高めるためにいつも目標と照らし合わせて、反応や結果がどのような状況であ
るかを捉える必要があります。反応や結果といった事実情報に関しても、どこ
から見るか(評価するか)が曖昧だと、個々人の価値観が行動に反映されます。
特に個人よりも組織行動においては、メンバーの認識度合いが異なると、改善
や調整につながり難くなります。

 二つ目のスピードに関しても同様ですが、本来のフィードバックは、目標に
向かって進んでいく中で、目標からの乖離が生じた時に修正を加え、目的地に
到達するために行うものです。
 従って、一連の行動が終わる前、目標からずれ始めたところから察知して、
修正行動が並行して行われるものです。しかし今のビジネス現場では、どちら
かと言うとフィードバックは一連の行動が終了して、結果と目標の差異を分析
して修正に利用されているケースが多いようです。
 前述の通り、フィードバック力(能力・機能)が高い組織は、一連のプロセ
スが終了する前にフィードバックが起動しています。逆に、フィードバックが
弱い組織は、一連のプロセスが終了して毎回同じような反省会をしているとこ
ろも少なくありません。終了前に起動させるためには、目標(中間目標)が設
計・設定されているかがポイントになります。

 変化が激しい中で、フィードバックすることが様々な場面で必要になってい
ます。しかし、「フィードバック」という言葉の意味が、組織の中でもバラバ
ラの使われ方をしているところも多いようです。フィードバックの効力を高め
るためには、自社・自部門(チーム)での意味を確認することも必要ではない
でしょうか?


             (2016/04/25 人材開発メールニュース第873号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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