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就職支援の現場から・2016年春(2)
 3月1日に今年度の就職・採用戦線が解禁されて1ヶ月半が経とうとしている。
 とはいうものの、準大手・中堅企業の内々定出しはGW前後と言われている
ので、前半戦は実質的には終盤に入っているといっても過言ではないだろう。

 私の教え子たちもそれぞれに頑張っているはずだが、既に内々定をもらった
学生が複数いる。なぜか、今年は静岡勢のスタートが早く、二月には結構知名
度のある浜松の企業が説明会&GD選考をしていたし、静岡県内の信用金庫から
三月末に内々定が出たと学生から報告があった。

 ところで、経済同友会が三月末に大学生の就職活動に関する新提言を発表し
た。
 新卒の一括就活と採用の枠組みを見直し、通年採用を入れやすくすることを
柱とし、結論としては「卒業後5年間は新卒扱い」にすることで、学生が再挑
戦でき、通年採用が加速されるとしている。採用時期は企業ごとに年2−4回、
入社も年2回可能とするという。

 細かな制度設計は別として、新卒の一括就活、企業の一括採用が、これまで
もさまざまな弊害を指摘されてきた。ならば、ではないが、そもそも「新卒」
という枠組みをなくすくらいの提言を期待したいところでもある。ましてや、
経団連が今回も変更のうえに決めた就活ルールすら、どうせ、大半の会社が守
っていないのだから、廃止すべきではないだろうか。

 余りにも見え透いた本音と建て前、形式と実際の使い分けを学生たちに笑わ
れているようで、情けない。


             (2016/04/18 人材開発メールニュース第872号掲載)


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