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オリジナル基礎力チェックのすすめ
 一昨年位から採用選考に使用するオリジナルミニテストを作成する依頼が増
えています。その企業(組織)で必要な基礎力、業務遂行上、できれば知って
おいて欲しい読み書きや計算などをチェックする簡単な学力テストです。30分
程度回答できるような構成で、小学校の国語・算数レベルの問題を中心に作成
しています。

 ミニテストを作成する背景としては、基礎力をチェックすることが難しくな
ったことがあります。全員ではありませんが、期待値よりもかなり基礎力が不
足する人が採用されるようになったという話が最近増えてきました。同じよう
に選考をやっているが、基礎力のチェックが難しくなっているようです。

 一般的によく使用されている適性検査で、学力・能力を測定することも可能
です。ただ、現場で最近増えているのは、少し学力が低いと思って採用した人
材が、入社してみるとかなりトレーニングしなければ業務に支障が出るレベル
の人材だった、以前はそんなことはなかった…と言った悩みが増えています。
 これだけ情報が氾濫している時代では、適性検査の対策やマニュアル?に関
する情報も豊富で、学生側も当然準備して臨んでいます。また手書きの書類を
見る機会も少なく、採用の現場では、差を見つけにくいという声が増えていま
す。見た目の差が少ないので、大丈夫だろうと採用したものの…という悩みを
聞くことが増えています。

 オリジナルミニテストを作成するのは、要は一般的な学力をチェックするの
ではなく、その組織で必要最低限の基礎力を確認する試みです。難しい問題で
は無く、日頃から現場で使用する読み書きや計算力を確認することが目的です。
そのため現場で使用する書類を見たり、会話を聞きながら、問題を作成してい
きます。
 また応募者が減少傾向にある中で、学力や能力をチェックするために難しい
選考をしているとそれだけで辞退につながることもあります。学生にあまり負
荷がかからない形で、かつ現場で必要な基礎力をチェックできるものを目標に
試行錯誤を繰り返しています。

 いずれにしても入社後のミスマッチを少しでも減らすために、自社の状況に
応じた選考を進めていくことが益々求められると言えます。


             (2016/03/28 人材開発メールニュース第869号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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