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中長期的な取り組みが求められる採用活動
 新卒採用が後ろ倒しになり、採用スケジュールの二極化が進んでいます。大
手企業を中心に倫理憲章に準じて内定出しを8月以降に行う企業と、8月まで待
てない企業が早目に内定出しを行う形になっています。

 早めに動いている企業も内定は出しているものの大手を中心とした他社の採
用活動が終わっていないため、内定を出した人が最終的に何名残るか予測がつ
かず困っている企業・採用担当者も多い状況です。

 そんな中、少数派ではありますが、この採用環境においても慌てずに冷静に
取り組んでいる企業もあります。冷静に取り組んでいる企業の多くに共通する
のは、短期ではなく中期的に採用計画を回していることです。ある程度今年の
混乱?を想定し、昨年さらには一昨年位からやや多めに採用を行い、今年は極
端な話、採れなくてもいいというスタンスで臨んでいる企業もあります。

 採用に限ったことではありませんが、冷静に取り組んでいるところほど、学
生には安心感・信頼感を与えるようです。勿論、昨年に比べるとエントリー数
や応募数は減少しています。しかし人数が減った分、より丁寧できめ細かな対
応をすることで、また安心感・信頼感が高まるような取り組みができている企
業もあります。

 採用活動の後ろ倒しは今年からスタートしましたが、今後の人口・学生数等
の状況を考えると一過性ではなく、構造的な課題であると言えます。益々、中
長期的な戦略・計画が必要になります。
 中長期的な取り組みと言うと、採用スタッフが豊富な大企業でなければ…と
いう話題が出ることもあります。しかし、中長期的な取り組みについては採用
数が多い企業よりも少ない企業の方が戦略的な取り組みが可能です。人数が少
ないほど、新卒、第二新卒、その他の採用、人材を育てることも含めて様々な
選択肢の組み合わせが可能になります。
 採用に関しては、工夫がより結果に反映される時代になるのではないでしょ
うか。

             (2015/06/29 人材開発メールニュース第832号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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