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人材開発のチューニング
 新卒採用の後ろ倒しによる混乱?様々な業種業態で人手不足感が増す中で、
ヒューマンリソースに関して不安な時代になっています。
 不足するであろうヒューマンリソースをどうするのか、人材開発の効果・効
率への期待が高まる中で、今まで以上に戦略的人材マネジメントが求められて
います。

 戦略的人材マネジメントとは、経営に必要な人材を供給することです。その
ためには、当然経営(理念・方針・戦略・計画など)に沿った人材開発が行わ
れることが必要です。しかし、実際はこの当然なことができていない現場が多
々あります。
 経営環境や経営を取り巻く状況は、絶えず変化しているにも関わらず毎年ル
ーチンのように同じ施策が繰り返されることがあります。また何か新しいもの
を取り入れたいと、とにかく今流行っているものやトレンドとして取り上げら
れるものを導入することも良くある話です。経営とはあまり「関連性が高くな
い」ところで、人材開発の意思決定が行われています。

 ルーチン的に実施したり、流行のものを導入することは、一概に全てが悪い
ことではありません。前述の通り、経営とは「関係ない」というよりも「関連
性が高くない」ことが多いので、少し関連性を持たせる工夫をすると、経営に
良い影響を与えるものもたくさんあります。

 よく我々は現場で人材開発をチューニングするという表現をします。経営に
併せて今やっている人材開発を少しチューニング(調律、同調させる)ことが
求められています。

 ルーチン業務のように昨年と同じような人材開発(採用・育成・モチベーシ
ョンマネジメントなど)を実施する場合でも、環境や経営状況を踏まえた上で、
これまでと同じものを実施するという意志決定であれば、問題ないと言えます。
 必ず一旦経営(理念・方針・戦略・計画)に戻って、ズレていないか、もう
少し経営の流れに併せることができないかを検討することが必要です。絶えず
アンテナを張り巡らせ、凡事を徹底することが必要です。
 人材開発部門や人材開発担当者には、チューニングの意識が必要になると考
えられます。

             (2015/05/18 人材開発メールニュース第826号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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