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『過ちは人の常、対応は神の性』
 私は人間が小さいのか、細かなところに目がいき気になるとそこばかり見て
いる傾向がある。

 三月に発覚したT社の免震装置のゴムの基準未達の偽装問題。最初はニュー
ス報道で、同社の営業担当者2が、納入先に謝罪している映像で、その小さな
ことに気がついた。

 それは、2人ともスーツ姿で、「社章」を付けていないことである。そして
その後、各地の納入先にお詫びに行く映像に映る営業担当者は誰一人、社章を
つけていない。

 極め付きは、記者会見場の同社の社長、執行役員ことごとく社章を付けてい
ないのである。

 私自身、サラリーマン時代、社章を付ける習慣がなかったので、「そんなも
のか」とも思ったが、やはり今回の不祥事で、テレビ映像に映ることを恐れて
の対応なのだろうと感じた。報道によると歴代の担当者が隠し続け、データを
改ざんし続けたということで、組織的な問題を指摘されているが、まさに社章
外しも“会社ぐるみ”なのかもしれない。

 本来、起こしてはいけない問題であることは確かだが、改めて思う。『過ち
は人の常、対応は神の性』社章外しに、何となく同社の社風を感じるのは私だ
けであろうか。


             (2015/04/20 人材開発メールニュース第823号掲載)


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