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新卒採用、ノウハウを蓄積しやすい活動を!
 いよいよ来月から、倫理憲章変更に伴い後ろ倒しされた採用活動が本格的に
スタートします。人手不足感が高まる中で、どちらかと言えば焦る企業に対し、
学生側は求人が増えている現状なども踏まえ、例年以上にゆったりしている…
という話題が増えています。

 特に中堅・中小企業は今まで以上に大手企業と同じタイミングで採用活動を
進めることになり、危機感を持つ担当者が多いようです。採用活動をお手伝い
する中で、中小企業でも比較的上手く進んでいる企業とそうでない企業では、
取り組み方にも差を感じる場面があります。その中でも、よく指摘される項目
として「求める人材像」が明確かどうかという点が挙げられます。

 求める人材像=どういう人が欲しいか、ということですが、やはり上手くい
っていない企業の場合は、抽象的なことが圧倒的に多い状況です。中途採用の
場合は、具体的なポジションや役割を想定して、例えば、「○○課に配属する
ために…、××というポジションを担ってもらうために…、○○市場の営業を
強化するために…」等、具体的な採用活動が実施できている企業においても、
新卒採用となると、極端に曖昧になることもあります。
 また新卒採用で求める人材像と言った瞬間に、使用される言葉が急に余所い
きの言葉?になり、採用人数位は示されるものの、それ以外はあまり細かく吟
味されずに採用市場に突入することもあります。

 採用ノウハウや採用経験が少ない企業ほど、求める人材像(求める人材の物
語)を描くことが必要です。入社して、最初はこんな経験を積んで、次にこん
な経験を積んで、○年目の時には、これぐらいの事ができるようになって欲し
いという物語を描くと、何となく必要な人材イメージが見えてきます。
 ターゲットが少しはっきりすると、採用市場の中でも、どこに注力すべきか
のアイデアも発想しやすくなります。

 学生の価値観や就職活動も多様化する中で、採用活動を進めるためには、あ
る程度的を絞ってトライアンドエラーを繰り返しながらノウハウを蓄積してい
くことが必要です。
 特に慢性的に若手人材が不足していく環境においては、失敗も含め独自のノ
ウハウを蓄積することが益々必要です。そのためには、ノウハウを蓄積しやす
い採用活動(採用活動におけるPDCA)を構築することが求められます。最低限、
どのターゲットを狙って、どうだったかは蓄積していく必要があります。

 一過性ではなくより大きな流れとしての市場の変化をどう捉えるか?今後の
人事の大きなテーマになると言えます。

             (2015/02/16 人材開発メールニュース第814号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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