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人事の単位にファミリーを
 今年最初のワンポイント・アドバイスです。
 本年もよろしくお願いいたします。

 昨年から深刻化してきた問題として、現場における人手不足感が挙げられま
す。業界や地域におけるバラつきはありますが、徐々にスピードを上げながら
拡がっている状況です。例えば、これまでは苦労しなかった小売店の新店オー
プニングスタッフの採用でさえ難しい、そんな話題も増えています。

 人口減少、特に労働力人口の減少が社会や経営環境に及ぼす影響は甚大です。
言い古されたことではありますが、働く意欲を持った方に、働く機会をできる
だけ提供することが求められます。

 より様々な人材に力を発揮してもらう方法の一つとして、今後人事の単位と
して「ファミリー」という概念が必要です。これまでは従業員満足(ES)を始
め、個(パーソン)をどう活用するかという切り口でした。しかし今後は、従
業員(個)を取り巻く家族・家庭の影響を無視できません。学校でも、良くも
悪くもステークホルダーとしての親の影響力が無視できないように企業(組織)
経営においても家族・家庭の影響力が高まることが予測されます。個を取り巻
く環境は、ライフスタイルを含め家庭の環境、考え方に大きく影響され、多様
化が進んでいます。

 ファミリーと言うと結婚している人や子供がいる人の話題だとイメージされ
ることがありますが、ここではもう少し大きな概念のファミリーと言う考え方
が必要です。一人暮らしで生活している方もたくさんいますが、その方も同居
していないかもしれませんが親・子といった家族、その他縁がある方の影響を
受けながら暮らしているはずです。そこにもファミリーという概念が適用され
ます。

 いかにしてファミリーを含めた個の力を引き出せることができるか?、個の
背景にあるファミリーも含めて、人材の保有する能力を引き出すためにどんな
理念・戦略・施策が必要か、が求められます。
 ダイバーシティや女性の活用・活躍、グローバル化など、様々な人事テーマ
がありますが、その中でファミリーと言う概念をどう位置づけるのか、意味づ
けるのか、今後の人材開発の大きな課題です。経営のスタンスが試される場面
が増えてくるのではないでしょうか?

             (2015/01/05 人材開発メールニュース第808号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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