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「オヤカク」−採用難の時代
  「オヤカク」という言葉をご存じだろうか。
 正しくは「親・確認」と書くのだろうが、要は企業が内定を出した学生の親
に、「内定の確認を取る」採用難の時代に突入したが故の言葉である。

 元々、内定辞退も「親の意見」「親が言ったから」に左右される時代、最終
的にどこの企業から内定を受けるかも「親次第」という、何とも情けない状況
ともいえる。

 約1ヶ月前、10月1日の内定式前後、企業と内定者、その学生に内定を出して
いる別の企業、そして親…三つ巴、四つ巴の攻防が繰り広げられた。その最終
的な決め手が「オヤカク」でもあったのだ。

 これまで3回実施した面接を1回にして即内定、適性テストの実施を見送る、
面接ではなく面談形式で選考色を排除、豪華ホテルで食事、クルーザーを借り
切りクルージング内定式…バブル採用期にその渦中にいた私としては、報道で
伝わるようなあの手この手の採用手法・ご苦労を聞いて、苦笑いするだけであ
る。「人は同じことを繰り返す」と。

 安直、浮ついた内定や対応であればあるほど、見切りを付けられるのも速い。
いくら確保に走っても魅力のない会社はやはり魅力はない。早々と見捨てられ
る。

 バブル採用期、超ビック企業の取締役人事部長の言った「佐藤君、五体満足
で名前が漢字で書ける学生100人採用したら1億円出す」の言葉が、未だ耳に残
る。
 そんな時代が来ないことを祈る。


             (2014/11/10 人材開発メールニュース第801号掲載)


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