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ストーリー性を踏まえた内定式の進め方
 少し前になりますが、10月に入り内定式に関するニュースがたくさん流れて
いました。今年は新卒採用の環境も変わり、盛大な?内定式を行ったというニ
ュースもありました。

 実際、内定式をどのようにすればいいか?そういう相談が増えました。内定
式のやり方は様々ですが、内定式の進め方が上手いと感じる企業(組織)は、
ストーリー性が高いと言えます。
 ここで言うストーリー性は、前後とのつながりと言う意味です。内定式単体
でどうするかというよりも、採用→内定→入社→定着(育成・活躍)の流れの
中で、このタイミングで内定者に何を提供するかを考えています。

 少し前のコラムにも書きましたが、一般的に内定者が感じる代表的な不安は、
企業(会社)に関する不安、仕事(業務)に関する不安、仲間(同期・先輩)
に関する不安の三つです。ストーリー性と言う観点から言えば、内定式で採用
から入社・定着までを考えた上で、どの不安を解消すべきかを考えながら組み
立てることが求められます。

 具体的な例で行くと、まだ企業理解が物足りないと感じた場合、内定式でも
う一度採用時に行った企業説明会を実施する企業もあります。内定者にとって
は、全く同じ内容の説明会でも採用が決まる前と決まった後では、質問の内容
も大きく異なります。また、仕事や仲間に不安を感じると言うことであれば、
職場見学会や就業体験を実施するところもあります。

 さらに内定式や内定者フォローの段階で伝えておきたいことの一つに、「採
用理由」が挙げられます。学生側からすると「何故採用されたか」は、あまり
理解されていなかったり、またそこに不安を感じている場合もあります。意外
に見落とされているポイントです。内定者全員の共通するものもあれば、一人
ひとり異なる点もありますが、何故採用したか(どこを評価した言うよりどこ
に期待しているか)を伝えることは有効です。
 専門的な業務での採用は、専門知識やスキルが必要ですが、一般的な採用で
は、現在保有している知識・スキルと言うよりも、可能性やポテンシャルに期
待して採用しているケースが多いと言えます。来春入社する内定者に「期待」
を伝えることは大事なことです。

 内定式のやり方は様々だと言えますが、これから社会人になる内定者のため
に必要なことを真摯に考えることが必要ではないでしょうか。


             (2014/10/27 人材開発メールニュース第799号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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