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CMを違う視点から
 初職で、広告代理店に勤務していたからか、目にする様々な広告、CMに常に
目がいく。
 最近気になっているのが、コーヒーメーカーの「○○アンバサター」という
CMである。

 この職種?役割?の人(CMでは女性)は一体、どのような行動をする人なの
だろうか、と考える。CMを見ていると、小型の冷蔵庫にペットボトルのアイス
コーヒーを入れて(それが仕事?)、汗もほとんどかいていない営業の男性に
出すだけ?そして、いつの間にか、周囲にはアイスコーヒーを片手に談笑する
職場の仲間が続々と集まってくる…いかにも同社が外資系らしい余裕のあるさ
わやかな職場の風景が映し出される。

 改めて、アンバサダーって何やる人?お茶くみならぬ、コーヒー汲み?そし
て、なぜ、女性?相変わらず、お茶・コーヒーを出すのは、同社でも女性の役
割?さわやかな映像を見ながら、そんなことを起想する私は、相変わらずの自
身の想像力の乏しさが情けない。

 私は広告やCMから、その会社の考え方や社風が見え隠れすると感じることが
多い。大半は、自社の考え方を伝え、広告会社がそれに対して制作案をもって
きてGOとなり広告やCMに具現化していくと思う。だから、以前このコラムでも
書いたが子どもに「お金は大事だよ」と歌わせた保険会社などはそうした意識
が蔓延している会社に思えてしかたがなかった。最近では、大ヒットしている
ゲームのCMで、「チッ」と男の子が舌打ちするのも、相手が可愛くて力のなさ
そうな動物であるから、尚更、弱者への同社のスタンスに見えてしょうがない。

 まあ、溢れんばかりに垂れ流されるCMもちょっと違う視点から見てみると、
自分には関係ない内容でも面白くなるものである。


             (2014/09/08 人材開発メールニュース第792号掲載)


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