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新入社員フォローとコミュニケーションギャップ
 新卒の採用環境が厳しくなると、新人・若手をより大事に育てようと言う動
きが強まります。最近は、新入社員フォロー研修や2年次・3年次研修に力を入
れている…そんな話題もよく聞きます。より戦略化を図るためにスキル教育も
行われますが、最近は、定着や落ち着いて仕事に取り組む環境づくりも大事な
テーマになっています。

 少しでも多くの社員が定着し、経験を積む中で力を発揮できるように、新人・
若手の持つ悩みを解消する試みも増えています。新人・若手社員の悩みの代表
例として、大きく二つのギャップを挙げることができます。一つは、イメージ
ギャップ、もう一つは、コミュニケーションギャップです。

 イメージギャップとは、入社前と入社後のイメージの違いです。入社前に描
いていた職場や仕事に対するイメージがあまりにもかけ離れていると、安心し
て・落ち着いて働くことが難しいと言えます。

 また最近よく話題になるのがコミュニケーションギャップです。これは、コ
ミュニケーションの相手・対象が大きく変わることに上手く順応できていない
ことを指しています。
 具体的には、社会人になる前のコミュニケーションは、年代や価値観が近い
同質な人とのコミュニケーションが中心で、極端に言えば、自分を知っている
人との接する機会が多かったと言えます。一方、社会人になってからは、年代
や価値観が異なる方とのコミュンケーションが増え、当たり前ですが、自分を
知らない人とのコミュニケーションが急激に増えます。
 自分を知っている人とのコミュニケーションでは、あまり丁寧に伝えなくて
も察してもらえることも多く、例えばSNSを利用してスタンプや絵文字で会話
をすることもある程度可能です。しかし、自分を知らない人とのコミュニケー
ションでは、同じような方法は通用しない事ことが多々あります。

 自分の言いたい事がわかってもらえない、相手が言ってることがわからない
場面が続くと、コミュニケーションそのものが減り、疎外感を感じ、だんだん
心身ともに疲弊していきます。場合によってはメンタル不全を引き起こすこと
もあります。

 イメージギャップもコミュニケーションギャップも最初は小さな思い込みや
思い違いから発生し、時間と共に不安や心配が急拡大していきます。新人・若
手の方々がコミュニケーションの変化を知るためにも、日頃誰と話しているか
をチェックすると(一週間分位データを収集すると)色々な課題が見えてきま
す。少し冷静に、コミュニケーションの対象が変わったと理解すれば、上手く
対処できることもたくさんあります。

 早期発見・早期解決ではありませんが、新人・若手の育成を進めるのは、コ
ミュニケーションの対象を確認することも有効な方法の一つです。


             (2014/08/11 人材開発メールニュース第789号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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