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ブラック・ホワイトを超えて
 今年に入って急に採用が難しくなったという声を聞きます。新卒・中途とい
った正社員採用だけでなく、アルバイト・パート、派遣についても派遣会社の
方々から企業からのオーダーがあっても、提供できる人材がいない…そういう
話題が増えています。

 特に世間一般で言われる?ブラック企業と呼ばれるところは、苦労している
ようです。個人的にはあまりブラック企業という呼び方や分類には興味があり
ませんが、昨年位からブラックと対比させる「働き続けやすい」「活躍しやす
い」と言われるホワイト企業を取り上げるニュースも増えています。
 
 例)経済産業省 ダイバーシティ経営企業 100選
 → http://www.diversity100sen.go.jp/

 たしかに働き続けやすい企業や活躍しやすい企業の事例や取組が周知される
ことは大事なことですが、その一方でブラックとホワイトという二分論になる
ことは少し危険だと言えます。

 ブラックと呼ばれる組織で長く勤めている方もいれば、ホワイトと呼ばれる
組織に折角入社しながらもすぐに辞める方もいます。ブラックを擁護している
わけではありませんが、一人一人働く意味や目的が異なるため、ヒトによって
ブラックと思うのかホワイトと思うのかは異なります。また、時間軸も入れる
と、時間の経過と共に捉え方が変化します。一般論としてのブラック・ホワイ
ト特に二分論はあまり意味が無いと言えます。

 ブラック・ホワイトという二つではなく、組織の数だけその組織特有の個性
があります。また働く人も、働くことの価値観・意味・目的は多様で、様々な
個性があると言えます。

 組織とヒトのそれぞれの個性のかけ合わせは、本来、幾千もの組み合わせや
可能性があるにも関わらず、二分論で限定してしまうのは、勿体ない話です。
まだまだ実現していない組み合わせや可能性がたくさん存在します。

 組織も個人も幾千もの可能性を有効活用することが求められるます。そのた
めには、日頃からキャリアについて考えるきっかけが必要です。キャリアの転
換期、就職、転職、退職、異動等の場面だけでなく、毎年毎年、一年を振り返
るような取り組みがもっと必要です。
 多様な可能性を提供できる組織、それをプロデュースする人材開発部門が、
今後益々必要になると考えられます。


             (2014/07/14 人材開発メールニュース第785号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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