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「バイトテロ」「社員テロ」と言われる中で
 「バイトテロ」という言葉をご存じだろうか。

 約一年前に、全国に蔓延したアルバイトによる悪ふざけ写真がSNSでばらま
かれて炎上し、店舗が営業停止や閉店に追い込まれるような行為を「バイトテ
ロ」という。

 ある新聞の、こうした行為について全国の大学生と専門学校生に聞いた調査
結果を見る機会があった。9割近くの学生が「あってはならないと感じる」と
答え、ホッとしたが、2%が「面白い」、「騒ぐことでもない」が9%と、1割
くらいに危険が残存されていることが、逆に、恐い。

 そして、バイトだけでなく「社員テロ」も起きる。多くの人が開いた口がふ
さがらなかった、JTB多治見支店の30歳の男性社員の行為。 遠足のバスの手
配ミスを隠すため、生徒を装って自殺までほのめかして遠足の中止を求める手
紙を届けた事件、若手社員と思いきや、30歳は中堅レベル、その手配ミスを隠
すための選択した手段の卑劣さ、拙さあくどさ…唖然である。

 よくもまあ、こうした対応を考えついたとも思う。そんなこと考えている暇
あったら、善後策で走り回れと言いたい。たとえ、前日に気が付いたとしても、
JTBほどの大会社、会社の威信をかけて(たとえ大赤字になっても)観光バス
をかき集めることだって不可能ではなかったはずだ。全数不可能であっても、
半分でも、1/31でも…が誠意ともいえる。“過ちは人の常、対応は神の性”で
ある。

 この行為で一体、何か得られたものはあるのだろうか。当然、高校生は遠足
に行けずがっかり。同社は同校や県内の学校から今後、遠足や修学旅行の発注
も滞る可能性も高い。

 JTB中部本社と多治見支店は、観光庁と中部運輸局から立ち入り検査を受け、
ブランドに傷。件の30歳男性社員は解雇、偽計業務妨害容疑で逮捕。誰一人、
幸せにならない結果を招いた行為でもあった。

             (2014/06/09 人材開発メールニュース第780号掲載)


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