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ソチ五輪・「明暗」「光と陰」
 年度末になってきた。消費税増税の開始が秒読みの段階、三月は年度末とい
うこともあり「来る人」「去る人」の悲喜交々の季節でもある。

 ソチ五輪が終わった。ここにも「明暗」「光と陰」の交差がさまざまな場面
で見られた。なんと言ってもメダリストと、期待されながらメダルの神に縁の
なかった人との間のスポットライトの当たり方である。

 その典型が高梨沙羅選手である。それまでの成績が他を圧勝するものであっ
たからなおさらで、4位入賞も立派な戦績だと思うが、帰国の映像すら流れな
い扱いであった。私は試合前、マスコミのインタビューに彼女で「もう少し微
修正を」「最後の調整を」と答えているのを見ていて、“危ない”と感じてい
た。彼女は強いがゆえに、更に完璧、更に美しくを求めすぎて、神経質になり
すぎたのではないかと思う。

 皆さん、『高木美帆』選手を覚えているだろうか。
 4年前のバンクーバー五輪、スピードスケートの当時、中学生、最年少の日
本代表である。
 あどけなさ、可愛さもあって人気沸騰、一躍、マスコミの寵児に祭り上げら
れた人である。その高木選手、今回は話題になったであろうか。今でも現役の
スピードスケーター(大学生)だが、残念ながら予選会で落選、ソチには入っ
ていない(お姉さんの高木菜那選手は日本代表)。やはり勝負事は勝たないと、
あるいはメダルをとらないと、世の中には忘れられてしまうのか。

 反対に、6位入賞と、本来の実力にほど遠い浅田真央選手の翌日の報道は絶
賛・礼賛の嵐、金を確信したような予定稿の映像を流し、ヒロイン扱いであっ
た。同じメダルを逃しても、負けたのに明暗が分かれる、のである。

 そこには何の差があるのか、明確な基準などないのだろうが、不可解である。

             (2014/03/17 人材開発メールニュース第769号掲載)


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