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採用の活況化、面接官研修が増える中で
 新卒、中途に限らず採用が活発になっています。同時により採用の精度を上
げたいということで採用面接官の研修が増えています。

 一般的には面接官研修と言うと、採用担当者ごとのバラつきを減らすために、
面接を想定してどう見るか、評価の平準化を図るために実施されることが多い
と言えます。しかし最近では、面接時にどう見るかという内容だけでは、効果
が上がらないという声も増えてきました。

 大手企業を中心に既に採用の場数を踏んでいる企業であれば、どんな人材を
採用したいか、もしくはどんな人材が働いているかという情報の蓄積があるた
め、前述のどう見るかを重点的に訓練するとある程度の効果が見込めます。
 しかし、まだ採用の経験が浅い、もしくはしばらく採用を中断していたため
採用のノウハウ・情報が少ない、またはこれまでと異なる人材を採用したいと
考えているような企業の場合は、評価の物差しがはっきりしていないため、ど
う見るかだけでは対応できなくなっています。

 現在積極的に採用としている企業は、どちらかと言えば継続的・安定的に採
用できていない企業が多い状況です。このような企業では、求める人材像があ
りながらも、共有されていなかったり、現場の変化のスピードに対応していな
いものもあります。したがって、どう見るだけトレーニングしても、そもそも
の目的がバラバラなため、人事が懸命に採用しても現場では「使えない」とい
う言葉が飛び交うこともあります。

 求める人材のイメージが共有されていないという時には、面接官研修でも評
価の仕方ではなく、評価前の準備を一緒に行うことが効果的です。オーソドッ
クスな方法としては、面接官の方々に、質問を設計させる方法があります。
 ○○を見るためには、こんな質問がいいのではないか?たくさん出していた
だきながら、自分たちで質問の流れを設計していただきます。評価の仕方を訓
練するよりも、質問を設計していただく方が、目的が明確になります。

 もし、採用、特に面接が上手くいってない場合は、質問の設計を人事だけで
なく現場も含めて行うことをお薦めします。質問を設計する過程で、改めて求
める人材のイメージの輪郭が明らかになります。
 多くの組織で労働人口の減少を体感する場面が増えています。貴重な人材を
発掘するためには、採用に関しても人事と現場の一体化を図っていくことが求
められるのではないでしょうか。

             (2014/03/10 人材開発メールニュース第768号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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