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採用ストーリーを語る
 新卒採用の市場が急激に変化する中で、新卒採用に関する相談が増えていま
す。特に新卒採用の経験値が少ない企業や学生からまだ注目されていない企業
の人事担当者から学生に「何を伝えればいいか?」を質問されます。できるだ
けシンプルに伝えるには、物語(ストーリー)的にまとめる方法が効果的です。
具体的には「現在はこういう会社で、将来こうなりたい(ありたい)と考えて
いる、そのためにはこんな人が必要です」とまとめるとわかりやすくなります。

 よく「求められる人材像」が必要だと言われますが、人材像だけが示されて
いることも多いようです。こんな人が欲しいと言うだけではなく、なぜそうい
う人材が必要なのか前後の文脈をはっきりさせると、伝わりやすくなります。
 例えば、既存の事業を強化しようとしているのか、または既存事業よりも新
規や周辺の事業への展開を考えているのか、それによっても必要な人材は異な
ります。人事担当者には企業の成長する姿にあわせた採用ストーリーをまとめ
ることをお薦めします。

 同時にそこでまとめた採用ストーリーを社内、既存の社員にも積極的に披露
することをお薦めします。採用ストーリーを社内に共有することで、改めて会
社の方針・方向性を理解することができます。何よりも入社してくる人材を受
け入れる際に、入社前に語っていたストーリーを知っているかどうかは、新人
の育成に大きな影響を与えます。あまりにもストーリーとかけ離れた扱いを受
けると、当然のことながら新人のモチベーションは一気に下がります。
 モチベーションが低い人材が入ってきたという話も出ていますが、最初から
低いのではなく、急ブレーキをかけていることがほとんどです。

 人口が減少する社会では、人材の調達は改めて大きな課題になります。採用
は外部からリソースを調達する方法ですが、ただ単に外部労働市場にPRするだ
けでなく、より積極的に社内(内部労働市場)にPRすることも必要です。
 人事担当者は外と内をつなぐ、外と内の関係性をよりよい状態に高めていく
ことが今後益々求められます。

             (2014/02/24 人材開発メールニュース第766号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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