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仲間・コミュニティ形成と組織運営
 最近、組織の活性化を検討する場面で、仲間やコミュニティをどう形成する
かという話題が増えています。

 情報通信手段が発達する中で、以前よりも簡単に仲間やコミュニティを形成
することができます。しかし、別の見方をすれば、仲間やコミュニティをつく
るということは、そこで線を引き、その外側に敵をつくるということにもなり
ます。
 敵と言うと極端かもしれませんが、内側にいるヒト(組織)と外側にいるヒ
ト(組織)を、意識的にまたは無意識に区別しています。

 例えば、「わが社」と言ってる時には、自社と他社と線を引いて物事を考え
ていると言えます。「他社ではどうかはわからないが、わが社はこうだ」。同
じように「この部署」と言っている時は、「隣の部署はしらないが、うちの部
署ではこうだ」など、意識的または無意識に線を引いて、外側を排除して意思
決定したり、行動している場面が多々あります。

 線を引くことが全て悪いことではありませんが、線の中(内側)だけで、や
り方を考えたり、変えていくには、内側の資源だけに頼ることになり、限界が
あります。限られた同じ資源で意思決定していると、よほどのことが無い限り、
同じまたは似たような意思決定を繰り返すことになります。その意思決定が、
時代のニーズ、社会のニーズに合致している時は、良い結果を生み出しますが、
ニーズが変化すると通用しなくなるだけでなく修正もできません。
 資源が限られた時代では、線の引き方を変えて、リソースを増やす、活用で
きる知恵やアイデアを増やしていくことが求められます。自部門だけでなく他
部門と連携して考える、自社だけでなく他社と連携して考える、そういう動き
が求められる時代です。自部門と他部門が同じ部門だとすると…、自社と他社
が一つの会社だとすると…、そういう考え方が必要になる時代です。

 しかし、実際コミュニケーションが停滞している職場ほど、個人ベースでも
組織ベースでも、様々な線が張り巡らせています。仲が良い?ことと閉鎖的な
ことが混同していることも多々あります。

 職場の中で、どんな線が引かれているのか?、仲が良いことが逆に疎外を生
み出していないか?、点検することが必要です。
 仲間やコミュニティをどのように形成するかは、今後組織運営上の大きな課
題になります。皆さんの周りではいかがでしょうか。

             (2014/01/27 人材開発メールニュース第762号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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