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仕事で大事なこと…スキルよりも意志
 先日、「仕事をする上で、スキルも必要だが、やはり意志が大事だ」という
話で盛り上がっていました。与えられた仕事や指示された仕事を着実に遂行す
るためには、スキルが重要です。しかし、よく言われるように、自ら課題を見
つけて仕事に取り組む、主体的に、前向きに、先取りして、と言った場面では、
やはり意志のウエイトが大きくなります。

 少し話が変わりますが、研修で「“ここ”があなたの職場です」と指示を出
して、“ここ”を具体的に書き出していただく実習があります。自分の職場=
守備範囲をどう捉えているかを視覚化する方法です(定期的にやっても結構面
白かったりします)。
 書き出してもらうと様々で、自分の机の上のレベルの方もいれば、所属する
部署のレベルの方、オフィスのフロアレベルの方、入居している建物・工場レ
ベルの方もいれば、地域レベルの方、全国さらには海外も含めてイメージされ
る方もいます。

 単純に、仕事の守備範囲(どこを見ながら仕事をするか)を質問しているわ
けですが、視野は様々です。現実的な守備範囲は、役割分担と言った何らかの
制限があると思いますが、視野を広く捉える方が新しいアイデアが生まれやす
くなります。また実際は視野を広くとっても、全方位に対して八方美人的?に
対応できるわけではないので、その中でウエイト付けや選択が必要になります。
当たり前ですが、広くとる=あらゆる可能性を検討した上で選択することと、
狭い範囲で選択したことは、同じ選択でも意味合いが異なります。特に周囲か
ら見ると明らかです。

 前述のスキル・意志という話題に戻ると、視野をどこまで拡げるかは、勿論
スキル的な要素もありますが、意志の影響力が高いようです。勿論、指示・命
令を出して作業的に広げることはできますが、一時的に拡げてもしばらくする
としぼんでしまうことが多いようです。

 もう少し細かく考えると、人それぞれ個性があって、視野を拡げ易い領域と、
拡げ難い領域が存在します。どこで拡がりやすくて、どこで拡がり難いのか、
キャリアを選択する場面や役割を分担する場面など、少し意識するとさらに可
能性も拡がるのではないでしょうか。

             (2013/09/02 人材開発メールニュース第742号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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