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伸び悩む二年目以降の社員?
 最近、ネットでは「社二病」という言葉が取り上げられたり、社会人二年目
ぐらいの人が社会や職場に過剰適応している話題が取り上げられています。
 「社二病」と表現することが適切かどうかはよくわかりませんが、全てが新
鮮な一年目と違い、業務を少し経験した中で、過剰適応する人もいれば、逆に
適応できない人が現れたり、入社2年から5年ぐらいの若手社員をどう育ててる
かは人材育成の一つの大きな課題です。

 数年前にダイハツ工業が実施した「一般企業における、部下と上司の仕事に
関する意識調査」でも、若手社員にいつ仕事の熱意を失ったかという質問に対
して「入社2年目」という回答が最も多いという結果でした。仕事を覚えなが
ら、その場にどう適応するのかを迷っていると言えます。

 不思議なことに(ある意味当然ですが)、若手社員の育成に関して相談を受
ける企業は、どちらかと言えば新人教育に熱心な企業が多い印象を受けます。
熱心な企業ほど、若手が伸び悩んでいるという話を聞きます。新人の時に熱心
に教えている分、二年目から少し熱が冷める感じでしょうか。逆に社員側の受
け止め方も一年目は手取り足取り?丁寧に教えていただいていた印象が強い分、
二年目からは急に放置される?ように感じ、場合によっては疎外感を感じるこ
ともあるようです。

 また二〜三年目の社員からよく出る悩みとしては、一年目は何でも気軽に質
問できたことが、二年目、三年目、特に後輩が入ってくると先輩としての面子
もあり?質問できなくなる。二年目以降の方が業務量や業務範囲が増えている
にもかかわらず、わからないままに溜め込んでいることも多いようです。

 どこまで手を差し伸べるか?考え方は様々ですが、二年目以降の社員の方々
は、悩みは増える一方で、逆にどう処理すべきがわからないままにしているこ
とが多いようです。解決に向けてのアプローチとしては、適応に迷っているケ
ースが多いため、逆に目的意識や目標をはっきりさせることが有効な方法にな
ります。
 同時に仕事に慣れればなれるほど、話す範囲が偏ったり、限定的になったり
するため、意識的に色んな人と話す機会を作ることも必要です。直接何かを教
えるというよりも、より職場や仕事に適応できるような環境づくりをサポート
することが必要ではないでしょうか。

             (2013/05/13 人材開発メールニュース第727号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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