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歩み寄って働くチャンスをつくろう
 今年も新入社員を受け入れる時期になりました。
 公益財団法人日本生産性本部「職業のあり方研究会」が発表した平成25年度
の新入社員のタイプは、「ロボット掃除機型」と言われていますが、皆さんの
周りではいかがでしょうか。

 内定率など発表されているデータをみると、就職環境は少しずつ改善の兆し
が見えます。しかし、一般的には就職環境は厳しいと言われ、雇用形態が多様
化し、労働市場も流動化する中で、就職の問題も勿論ですが、就職後の定着の
問題も大きく取り扱われるようになりました。悪い話題に耳を傾ければ、入社
してすぐ辞める、辞めなくても「早く辞めたい」と考える人は多いようです。
「入社前とイメージが違った…」定番の話題ではありますが、やはりまだまだ
多いようです。

 様々な職場がありますので一概には言えませんが、もし辞めたいと思っても、
継続できるようであれば、少なくとも3年ぐらいは働くことをお薦めします。
よく仕事が合ってる合ってないという話題も出ますが、少なくとも一年通して
働いてみないと判断材料は少ないと言えます。また、キャリアという観点でも
3年ぐらい働かないと一つのキャリアとしては認められないケースが多いのが
実情です。安全・安心して働けないということであれば別ですが、できれば経
験を積んで欲しいですね。

 一方、企業・採用側に目を向けると、いきなり「辞めたい」という話題が出
ると、当然良い気持ちにはなれません。辞めたいという新人に対して「考え方
が甘い、我慢が足りない」そういう声が聞こえてきます。前述の通り、多少辛
くても新人の方々には、継続して働いて欲しいと考えています。そういう意味
では企業・採用側と意見が近いのかもしれません。
 ただ、早期に「辞めたい」という話題が出やすい職場ほど「新人の考え方が
甘い、我慢が足りない」と言っている人の割合が多い印象を受けます。それぞ
れが他責にしていると早期離職が発生しやすいと言った相関関係があるように
感じます。

 人口が減少していく社会で一人一人が実力を発揮する機会を持つことは大事
なテーマです。より大きな視野を持って、働く人と働く機会を提供する人が、
より良い関係性を持つことが求められます。そのためには、今まで以上に双方
が歩み寄る、折り合いをつけるような行動が必要ではないでしょうか。

             (2013/04/08 人材開発メールニュース第723号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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