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組織としてメンタル課題に向き合おう
 早くも一月が終わろうとしています。改めて考えると、昨年はメンタルに関
するテーマに取り組む機会が増えました。メンタルの問題も様々です。個人の
問題も当然ありますが、今までほとんどメンタルの問題が現れなかった組織に
おいて、一人、二人、三人と連鎖的に発生する場合は、やはり組織(システム)
の課題として捉える必要があります。

 よく言われることですが、多くの場合最初に問題に気が付くのは、コップか
ら水が溢れ出した(個人からメンタルの問題が発生した)時になります。前兆
に注意する、コップにどれぐらい水がたまっているかを注意することも必要で
すが、最初からできているような組織は稀だと言えます。歴史ある大企業は別
だと思いますが、特に新しい企業・組織・事業部では、最初から対応できてい
ることは少ないのが現状ではないでしょうか。

 大切なのは問題が顕在化した後の対応だと言えます。組織としてメンタルの
課題に取り組むことが進んでいるところは、やはりコップから水が溢れ出した
のを見て、他のコップの状況を把握しようとします。
 逆に、対応が遅れがちで悪化するところは、「元々コップにヒビが入ってい
たのではないか?そのコップ(個人)の問題だ」決めつけているところが多い
と言えます。大げさに表現してますが、よくある話です。実際初動の違いによ
って、組織の雰囲気も大きく変わります。

 メンタルの問題に発生時(発生後)に対応すると、やはり前向きには捉えに
くく、消火作業を行っているような感じで、何とか火を消す、鎮める、元に近
い状態に戻すような感覚になります。問題に対応する人(多くはラインの管理
者)自身も、状況が改善されてもあまり達成感を持てないことが多いようです。
そのため部下のメンタルの問題に対応しているうちに、管理者のメンタルが悪
化した話も最近増えています。
 悪循環に陥らないようにするためにも、組織(システム)の問題は、個に任
せるのではなく、組織(システム)として取り組むことが求められます。組織
としてストレスの少ないコミュニケーションを増やすことは必要です。
 皆さんの周りではいかがですか?

             (2013/01/28 人材開発メールニュース第713号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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