Back Number 複雑化する問題とコミュニケーション・システム 年末の政権交代、そして新政権では経済の再生を進めるため「アベノミクス」 と呼ばれる政策が進められようとしています。ここで、政治や政策について述 べるつもりはありませんが、意思決定の傾向として、お金を「出す」ことにつ いては、何十兆円規模でも比較的トントンと?進んでいくにも関わらず、歳出 「削減」には、時間がかかっていつまで経っても進まない…不思議ですね。 政治の場面に限らず、経営、人材開発の場面など、様々な場面で単純な問題 のようだが、実際は様々な問題が複雑に絡み合っていることが増えていると言 えます。価値観の多様化が進むほど、恐らく解に対する評価も異なり、ますま す合意を形成することが難しくなっているのではないでしょうか。 面倒な説明になりますが、「相関関係が高いからと言って因果関係がある」 とは言えません。しかし、「因果関係が説明できないからと言って因果関係が ない」とも言い切れません。複雑に絡み合って、その間に位置付けられるよう なことが増えていると言えます。複雑に絡み合ったものを紐解くためには、論 理的(ロジカル)なアプローチも必要です。またロジカルだけでなく閃きや勘 (経験に基づいた勘)も必要です。 一人で論理的に分析しつつ閃きや勘を活用するのも勿論大切ですが、問題の 範疇が広くなればなるほど、一人でできることは限られてきます。組織として 分担したり、またそれぞれのアプローチに偏りがないかを確認することも必要 です。複雑化すればするほど、各自の個性や能力を活かすことが望まれますが、 そのためにもコミュニケーションが鍵となります。 人口減少が本格化する中で、個々のコミュニケーション力も大切ですが、さ らに企業・組織経営におけるコミュニケーション・システムのあり方が問われ る時代になると予測されます。 (2013/01/14 人材開発メールニュース第711号掲載) humanize:吉次 潤 Go to Back Number Index Go to Top Page |