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隙間が拡がり続ける中で
 最近、学生の方々と話をする中で、色々なことを知ってると思う反面、逆に
こんなことも知らないのかと感じることがあります。知ってる学生と知らない
学生がいるということではなく、一人の学生と話しているときに、良く知って
る部分と知らない部分の両方が存在し、ある意味両極端で、会話をしている時
にもどちらに合わせて話せばいいのか戸惑うことがあります(個人的にはその
ギャップが大好きです)。

 学生に限ったことではなく、様々な場面で、知識が「面」ではなく「点」と
いう形で存在し、まばらな感じで隙間が増えている、大きくなっている印象を
受けます。グローバル化が進む中で、境界がどんどん無くなり、新しい情報が
次から次に入ってきます。カバーする範囲が拡がり続けると同時に、情報が増
え続ける中で、存在感を保つためには、専門化・独自化・オタク化?が求めら
れています。
 縦と横に急激に拡がる(引っ張られる)中で、まばらな状態や隙間が増えて
いるのではないでしょうか。

 企業経営の中でも、同じようなことが起こっています。既存事業では、益々
独自性や専門性が求められ、既存事業だけで足りないと感じると新規事業や新
市場・新商品に広げ、縦と横が広がっている事業体が多いと言えます。同時に
拡がるスピードがあまりにも急速だと、隙間が発生します。拡げている割には
十分に対応できていない場合は、隙間が大きくなり過ぎて穴が開いているよう
な状態だと言えます。

 組織・職場単位でも同じようなことが言えます。どこでも隙間が発生します
が、結果、パフォーマンスに優れている組織・職場は、隙間を(一人ではなく)
チームとしてカバーできていると言えます。隙間と言うと、欠点のようなイメ
ージが多いかもしれませんが、実際は逆で、そこには大きな、そして数多くの
チャンスが存在しています。

 当然これからの人材開発部門・担当者は、自社の隙間をいち早く予見、発見、
察知し、対策を打つことが求められます。同時に人材開発・人事という領域に
おいても、隙間が発生してないか、発生する可能性がないか、セルフチェック
することも必要です。
 皆さんの周りではどんな隙間が発生しているでしょうか。


             (2012/09/24 人材開発メールニュース第696号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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