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「若手社会人就労意識ギャップ調査報告書2012」を読んで
 「就職3年前後の社員の37.4%が昇進したくないと考えている」そんな調査
結果が8月、日本経営協会から発表された。就職3年前後の社員約700人への調
査で、現在の会社でどこまで昇進したいかの問いには、25.4%が部長・課長職、
係長・リーダー職が22.7%、経営陣が12.7%とのことで「昇進したくない」が
トップになるという。

 若手層に広がる“管理職拒否症候群”のようなものが裏付けられたようでも
ある。私がアセスメントで関係する企業では手上げ式(立候補)と上長推薦の
2ルートから昇進試験に参加できるが、このところめっきり手上げ式が減って
いるうえ、今年の受講生の一人は4回上長推薦を断り、追いつめられて今回、
渋々参加してきた人もいたほどだ。

 以前であれば管理職は「ああいう人になりたい!」とロールモデル、キャリ
ア・ターゲット的存在であったが、今や(もちろん一部だが)、「ああはなり
たくない」姿にも映るのかもしない。あるいは、残業代は付かず役職手当のみ、
責任は重いが権限は軽い、対応範囲は広いが、存在感は低い。要求されること
ばかりで要求できない、残業させるなで責められ、ちょっと言葉を間違えると
セクハラ、パワハラのプレッシャー…魅力に感じない役割と感じても不思議で
はない。

 ところで、同調査で44.4%の人が学生に戻れるなら「もう一度、就職活動を
する」と回答、就職前のイメージと現実の違いが転職願望を強めているとも解
説している。それも一つだが、厳しい就職戦線で不本意な内定で入社し、その
「リベンジ」「やり直し」をしたい気持ちもあるのではないかと感じてしまう。
そして転職予備軍の増加となる。ちなみに、今の会社でいつまで働きつづけた
いかとの質問には「転職できる実力がつくまで」が最多の29.3%、定年まで働
き続けたいは19%とのことである。

<参考>
 一般社団法人 日本経営者協会
 「若手社会人就労意識ギャップ調査報告書2012」
 http://www.noma.or.jp/report/gap/gap2012.html


             (2012/09/03 人材開発メールニュース第693号掲載)


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