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プロ人材とスペシャリスト
 最近「プロ人材」を育成したい、育成しなければ…という話を良く聞きます。
プロフェッショナルな人材、プロ意識が高い人材、表現は様々ですが、人材・
組織の質を上げていくためにもプロを育成したいという話を聞きます。

 同時によく言われるのが、「プロとスペシャリストは違うんだけどなぁ…」
と言う話です。日本的?なのかもしれませんが、プロというと専門家=スペシ
ャリストというイメージがまだまだ強いようです。総合職(ゼネラリスト)・
専門職(スペシャリスト)という分け方のなごりか、プロと言われる人は、何
かに秀でているスペシャリストという印象が強いと言えます。
 ただ、今現在、現場で求められているプロ人材のニュアンスは、やや語弊は
ありますが、“ゼネラリストのプロ”ではないでしょうか(勿論スペシャリス
トのプロも必要です)。次世代リーダー育成と言われるのも、「経営のプロ」
や「マネジメントのプロ」を育成したいという意味合いが強いと言えます。

 プロフェショナルとスペシャリストは何が違うのか?様々な考え方はありま
すが、スペシャリストは特定分野の「事」を極めるのに対し、前述の次世代リ
ーダーでもそうですが、プロに求められるのは「事」プラス「人」への関わり
が期待されていると言えます。勿論、スペシャリストの中にもプロ、エキスパ
ートと呼ばれるような方がいます。ただスペシャリストの中でもプロと呼ばれ
る方は、保有する専門性を誰かに提供したり、伝えたり、広げたり、教えたり、
「人」とのつながりにも長けています。人とのつながりの中で、専門性が評価
され、プロとして認められているのではないでしょうか。

 職場や採用の現場で「プロになるためには、特定分野の知識や技術を身につ
ければ…」という話も聞きますが、それだけではやはり足りません。誤解した
まま進んでいくのは、勿体ないと言えます。

 いずれにしても、プロは必要とされながらも、様々な局面でその言葉のイメ
ージがかなり隔たりがあります。また実際に、現場では混同されています。
 「わが社におけるプロとは?」〜それを打ち出すことで、人材開発の方針が
定まるのではないでしょうか。


             (2012/05/28 人材開発メールニュース第680号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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