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三高から三平
 バブル時代、“高ピー”女性が結婚相手の男性に求める条件は、三高(高学
歴、高収入、高い身長)と言われていた。なるほど、ちび・デブ・メガネ(ハ
ゲはなんとか免れている)、低収入の私の婚期が遅れたのもわかる。

 ところが、昨今は「三平」(平均的年収、平凡な外見、平穏な性格、一部に
は平穏な生活という説もある)、こうした男性を求める女性『三平女子』が増
えているという。かっこよすぎるイケメンは浮気の心配があり、高望みせず、
年収もそれほど重視していない。

 求めるのは安定と安心…。「たら、れば」があれば、私にもたくさんのチャ
ンスがあったまかもしれない・・・トホホ。ちなみに、平均的年収は、正社員
で400万円くらい、自分も働いて夫婦合わせて600万円くらい、不可能な額では
ない。職業は圧倒的に公務員が人気で、警察官。自衛隊員も含まれる。

 翻って、前回のコラムでも書いたが、大学・専門学校卒(平均的な学歴)で
も正社員として働いている人は50%前後、そう考えるともしかして高望みしな
い三平も、実は高いハードルのように感じてしまう。

 厚生労働省による「21世紀成年者縦断調査」(2002年に20歳から34歳だった
人たちを追跡調査しているもの)によると、過去5年間に結婚したと答えた男
性は正社員で24%、非正社員で12.1%と2倍近い開きがあったという(女性は
正社員27.7%、非正社員24.6%と差はさほどない)。
 また、同じ調査で、結婚適齢期26歳−40歳の男女の調査では、過去6年間に
「結婚せず」と答えた男性の非正社員は82.8%に達するといい、晩婚化の傾向
ととともに、就業形態による結婚率の違い=雇用・賃金そのものも含めた先行
き不安が結婚に踏み切れないことが推定できる。

 「幸せはお金では買えない」とはいうものの、「金の切れ目が…」「渡る世
間は…(これは違うか)」、世知辛い世の中であることは確かだ。
 とはいうものの、従来型モデルの崩壊が始まっていることを感じる。


             (2012/04/16 人材開発メールニュース第675号掲載)


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