Back Number 新入社員の傾向?2012年春 今年もいくつか新入社員研修を担当させていただきました。毎年研修の一部 として、時間があれば必ず実施する実習があります。チームで協力し、作り上 げるといった、よくある実習ですが、その実習のプロセスを見ながら、その時 々の新人の傾向・特徴などを掴むきっかけとしています。 長年?担当させていただくと、気がつくことが多々あります。同じ会社でも、 業容が拡大すると共に、採用した新人の学歴だけを見ていると確かに大学入試 における難易度の高い?大学からの採用が増えている印象を受けます。 しかし、前述の実習をやっていただくと、以前の新入社員と比べても作業時 間そのものは変わらない感じです。むしろ年々時間がかかる傾向があるように も感じます。また、その実習は大きく分けると、二つのプロセスに分かれます。 前半は、何をつくるか決める=設計図を描くプロセス、後半は、設計図を基に 形に仕上げるというプロセスです。 最近の新入社員と10年ぐらい前の新入社員を比較すると、全体の作業時間は、 ほぼ一緒ですが、前半と後半の時間のかかり方がかなり違います。10年ぐらい 前は、前半が早く後半が遅い(かかる)、逆に最近は前半が遅く(かかる)後 半が早いと言う感じです。 さらに実習では、いくつかルール(約束事)がありますが、以前は注意深く 見ていないとルール違反が多いのに対し、最近はルール違反を指摘するような ことはほとんどありません。決められた範囲でしっかり取り組む傾向が強い感 じです。 年々、問題を解く、解き方については着実にレベルアップしているように感 じます。特に一般的な問題では、そういう傾向が強いようです。反面、問題を 創造することや少し難易度が高い問題に遭遇すると、急激に処理能力が落ちる 傾向があるように感じています。 上記のような点も含め、直近2〜3年の比較ではあまり気付かないものの、少 し長いスパンで見ると明らかに“変化”していることが、たくさんあります。 比較すると短所が指摘されることも多いわけですが、いつの時代でも、長所を 伸ばしたり、長所を発揮し易い環境をつくる発想が大切です。 そのためには、“変化”の内容や変化を引き起こしている要因・仮説を分析 することが必要です。そうしなければ、その時々の短所ばかりが気になり、結 果的に人材開発においても短期的・対処療法的な取り組みしかできないように 感じます。皆さんの周りではいかがですか? (2012/04/09 人材開発メールニュース第674号掲載) humanize:吉次 潤 Go to Back Number Index Go to Top Page |