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人口減少化に向け特徴ある雇用を
 雇用に関しては回復基調にあるもののまだ足取りが重い状況が続いているよ
うです。政策としては「若者、女性、高齢者、障害者」等、それぞれの切り口
で様々な施策が展開されています。

 先日ある企業の人事部門の方から、行政機関から雇用を増やして欲しいと要
請されることが増えているが、次から次に異なる担当者が来て、対応するのが
大変だと言う話を聞きました。
 異なる担当者とは、前述の様々な切り口を意味しています。新卒・若年者雇
用の担当者が来たかと思うと、中高年齢者雇用の担当者が来て、障害者雇用の
担当者が来て…それぞれに雇用に関する依頼をするという話でした。

 勿論、どの雇用も大切ですし、理念に基づいて経営している企業は、できる
限りの企業努力をするという意志を持っています。しかし、そこへ次から次に
「これはどうですか?」という依頼のやり方には疑問を持ちます。

 全ての切り口に対応することも必要かもしれませんが、もっと各企業の持つ
特徴を活かすことがあっても良いのではないでしょうか。若年者雇用に注力す
る企業、障害者雇用に注力する企業、女性の積極活用に取り組む企業等、満遍
なくやるだけでなく、各企業が特徴・強みを発揮するような方法があっていい
と思われます。特に中堅・中小企業においては、資源を集中することで競争力
を拡大・維持することも必要です。競争力を拡大・維持できなければ、継続的
な雇用ができなくなることもあり得ます。

 本来は各企業の独自性が活かされるべきところだと思われますが、できてい
ない部分、欠点の指摘・是正が中心で、長所は認めつつも長所を伸ばすことに
関しては、さほど支援が無い、そんな感じになっているのかもしれません。

 逆に企業側は、人口が減少していく中で、若者、女性、高齢者、障害者+外
国人、それぞれの切り口から、自社に必要な人材をどうチョイスするのかを真
剣に考える時代に突入したと言えます。事業の方向性を定めつつ人的資源・資
本をどう投入するか、今まで以上に細心の注意を払って取り組むことが求めら
れています。


             (2012/02/13 人材開発メールニュース第666号掲載)
                          humanize:吉次 潤


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