Back Number

「できない」「やれない」理由
 年明け早々、昨年後半に仕事をいただいた「新規飛び込み営業」研修の第二
回フォローに行ってきた。
 冒頭、予定していたに第一回研修で立てた営業訪問計画の進捗状況の点検・
レビューを実施した。

 果たして…成果はほとんど上がっていなかった。そもそも全体で、飛び込み
営業が立てた計画の3割も実行されていない。中には2割も実行できていないと
いう強者(?)もいる。そして驚くことに、皆、堂々と「やっていません」と
宣う。
 人は「できない」「やれない」理由は100以上言えるというが、本当に次か
ら次に言い訳のオンパレード、同社の内情を詳しく知らないという私の弱みに
つけ込んで(?)、あることないこと(?)出てくる、出てくる。要は、既存
客のフォローやクレーム処理に忙殺されていた、飛び込みで好感触を得た新規
顧客への企画提出に没入していたというならまだしも、風邪を引いた、子ども
がインフルエンザ、親の介護…本当かよ、そんなことビジネス上の理由になる
の、というものもある。

 ところで、この会社の営業部長や課長は何していた!と怒りの矛先を変える
と、管理不行き届きをこれまた「できない」言い訳で理論武装する。

 言っておくが私は一介の雇われコンサルタント、あなた達の上司でも債権者
でも、株主でもない。それに言い訳を数珠繋ぎされても途方に暮れる。そこで、
若き社長に矛先を向けようとすると、提携話でアメリカにいると…。

 まあ、社長の話は本当として、この会社は「どうすればやれるか!」を考え
ないのかと、営業スキル云々を論じる前の状況を憂えてしまう。競争力に陰り
はあるものの、それなりに既存客から日銭(月々だけど)が入ってくるのに甘
えている感じがないわけでもない。でも、先はないのだ。そして、じり貧に陥
っていく、というのが気が付かないのだろうか。
 そういえば、研修参加者が前回より3人入れ替わっている。目端の利く人は
さっさと昨年末に退社、管理系から3人営業に回ってきた。一から飛び込み営
業のスキル習得の内容に後戻り、前に進まない。

 数多くの約束事項を決めて、研修は終了、次は3月に最終フォロー。
 どうなることやら、今から戦々恐々。しかし、私からは「できない」理由は
言えない。


             (2012/02/06 人材開発メールニュース第665号掲載)


Go to Back Number Index
Go to Top Page